プレミアに最強の黒船襲来。

10月7日とんでもないニュースが飛び込んできた。

サウジの政府系ファンドPIF主導で、PCPキャピタルパートナーズ&ルーベン・ブラザーズがニューカッスルを買収完了のニュース。

その額推定3億ポンド(約455億円)。

そして公式が放つ「AMBITION」というメッセージ。

「AMBITION」とは「野心」。

古豪マグパイズがこっから一気に巻き返すぞ!の意思表示であり「プレミアリーグに世界最強の黒船が襲来」である。

世界最強は全くの誇張でもなんでもなく、このサウジ系ファンドPIFの総資産額は一説によると3200億ポンド(約49兆7500億円)相当と言われており、これはマンチェスター・シティの約10倍以上だ。

一夜にしてプレミア最強のリッチクラブとなったニューカッスルだが、すぐにでも有能なタレントを引き抜いて大改革!というわけにはいかない。それが、「ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)」の存在。

ファイナンシャル・フェアプレーとは、クラブの健全経営を求めるため導入されたUEFAの制度で、UEFAに加盟するクラブは、支出が収入を上回ることを禁ずる(支出には移籍金や人件費等が含まれる)、さらにオーナーのポケッツマネーや借入金で赤字を補填することを禁ずるというルール。

簡単に言うと、「金にモノを言わせた補強は禁止」というわけだ。

しかし、抜け道があるのも事実。

シティは多額のスポンサー収入がエティハド航空を経由したオーナーによる投資(いわゆる粉飾決算的なやつ)ではないか?と判断され、2季のCL出場禁止が言い渡されましたが、CAS(スポーツ仲裁裁判所)により処分が撤回されたのは記憶に新しいところ。

このような法の隙を縫った、「処分されないための策を講じる」というのがお金持ちクラブのトレンドとなっている。

ただ、裏道を抜けなくても、時間さえかければ補強は着実に行えるわけで、トップ6どころか、ビッグ4入りも時間の問題。

また、若手育成やスタジアム整備の支出は対象外となっているため、チェルシーやシティなどは若手育成の施設などにも多額の資金を投入。当初の金満経営からの脱却を目指すなど一定の評価を得ている。

このように、10年単位のプロジェクトで古豪復活なども容易にあり得るわけだ。

ただ、スコットランド国境のような未開の地に、スーパースターが集結するのか?という地政学的問題はあるが、プレミアファンとしては、最強の白黒の船・新生ニューカッスルの活躍を願ってやまない。