グリーンが目を引く外観
モダンな印象の内装
ホームメイドのマンゴ・ラシ
マンゴとレモンのチャツネ
ランチセット
クリーミーなベジタブル・クルマ
スープのようなカレー、サンバー
マサラ・ドサに包まれたポテトカレー
ヨーグルト・サラダのライタ(左)と
インド特産のバターGheeで炒めたピラフ(右)
グリーンのマンゴ・チャツネ(左)と
スパイスがほのかに効いたミルクティー(右)
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チズウィックからハマースミスに続くチズウィック・ハイロードとキング・ストリート沿いはインディアン料理レストランの激戦地。しかも、某情報雑誌が一押しの星印付きレストランが点在している。それも、サウス・インディアン料理が多い。ロンドンでベスト1といわれる店の味は既に試してみた。では他の店の料理はどこが違うんだろう・・・。これは時間をかけて食べ比べてみる価値があるな、と興味をそそられ早速取材を開始してみることにした。先ずはスタンフォード・ブロックの駅に近い「WOODLANDS」を訪ねることにした。
グリーンが印象的な外観と店名のロゴからは、インディアンレストランの感じは受けない。度々この店の前を通っていたのに、ここがインディアンレストランだったとは・・・。そして、店内に入ってビックリ。内装にではない、お昼の十二時半過ぎというのにお客が一人もいない。本当にお薦めの店なの・・・?選択を間違えたかな・・・何だか不安になって来た。でもまあ、試食してみるしかないな。
しかし、店員の対応はとてもスマート。好印象だ。気を取り直し、ランチ・セット(£7.75)を注文した。店員の説明を聞いてみると、ランチ・セットの内容が他の店と似ていたので、味を比べるには丁度いいと思ったからだ。その前に、マンゴ・ラシ(Mango Lassi£2.75)を注文。インディアンビールのキングフィッシャー(King fisher£2.75)も飲みたいな〜と思ったが、店員が「マンゴ・ラシは当店お薦めのホームメイド・ドリンクだから是非試してみたら。もし、気に入らなかった変えてあげるから」と真剣に勧めるものだから、それを頂くことにした。味はマンゴのヨーグルトドリンクだが甘過ぎない。かすかだが、スパイス味が効いている気がする。スターターのパッパダム(Pappadam)にチャツネを乗せたものとの味の相性がいい。それに後で気付いたのだが、この味は違う種類のカレーを食べる前に飲むと味覚を調えてくれる効果もある。
そして、メインのカレーセットが運ばれて来た。最初の説明では、三種類のカレーということだったが一種類足りない・・・まぁ、いいか、お腹がぺこぺこだから取りあえず頂こう。まずは、大好きなベジタブル・クルマ(Vegetable Kurma)。隠し味に炒ったカシューナッツを使っているので、その香ばしいさが全体の味に一層クリーミーさを加えていて美味しい。では、スープのようなサンバー(Sambar)はどうかな?薄焼きパンのマサラ・ドサ(Masala Dosa)との相性は相変わらずいいが、もう少し辛味があったほうが私としては嬉しいな。しかし、気になっていたのがマサラ・ドサ。もう少しパリパリ感があったほうがいいな・・・?と思いながらマサラ・ドサをちぎろうとした瞬間、丸められてあったマサラ・ドサの中に何かが、な〜んと三種類目のカレーはここに隠れていたのです。隠れていたのは、ポテトのドライなカレー。これで納得、このカレーの蒸気のせいでマサラ・ドサがしんなりしてしまったのだ。演出はいいけど、ちょっと残念。でも、ポテトカレーのモチモチ感とスパイスのバランスはいい感じ。これだけでマサラ・ドサを食べ終えてしまいそうなくらい食が進む。口へ運ぶペースも早くなって来たので、ここで箸休めにヨーグルト・サラダのライタ(Raitha)を一口。どこか懐かしい味がする。何の味が効いているのだろう・・・人参にキュウリ、ヨーグルト。他の店と同じ材料なのに、この胡麻にも似た味は何だろう?もしかすると、この細かい黒いものかも知れない、と思い尋ねると、これもカレースパイスの一種とのこと。でも辛味は全くなく、とても香ばしい味。一般的なライタよりもこちらのほうが美味しいかも。
各料理の量は多くはないが、全てを食べ終える頃には充分お腹がいっぱいになって満足。さすがにデザートは入らないが、インディアン・カプチーノか紅茶で締めたい気分。どちらにしようか迷っていると、またまた店員のアドバイス。「スパイシーでミルキーな紅茶が美味しい」とのこと。スパイシーな紅茶??ケーキを作るときにスパイスを使ったりするが、それに似ているのか、と尋ねると「まあ、試してみてください」との返事。そこで頂いてみると、「これはいける!」。控えめに効いたスパイスがミルクティーとよく合っていて美味しい。納得できる味だ。
この店の料理は、サウス・インディアン料理特有のサラッと感が少なく、味も少し濃いめなのが特徴。どちらを好むかは人それぞれだと思うが、この店の味のオリジナル性を期待するひとにはお薦めの店だと思う。(茉)
2006年11月取材
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