天気の良い日はテラスがお勧め
オープンキッチンになっている店内
ペルー料理のパルービアン・チキン
日本料理の海老フライ
タイ料理の味を生かした生野菜サラダ
子供達の大好きなハンバーガー
中華風の焼き卵麺
チョコレートブラウニーのアイスクリーム添え
イチゴシェイクのHippy Hippy Shake
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ボンドストリート駅に近いメリルボーン通りに入ると、オックスフォード通りの雑踏とは打って変わって閑静な街並が続く。どことなく、東京の自由が丘周辺に似た雰囲気で私の好きな場所だ。散歩がてらに喫茶店やレストランに立ち寄りブランチをし、くつろぐのが楽しみのひとつ。でも、せっかくの休息のひと時に気取って食事をするのは好まない。しかも、そのときの食欲に任せ、食べたいものを食べるのが私流。そんな私の希望を叶えてくれるのが「giraffe」。一軒のレストランで世界の料理が食べられるのが嬉しい。今日は友人の三歳になる子供も一緒ということもあり、迷わずここに立ち寄ることにした。
ジラフ(キリン)という店名も可愛いし、子供向けのメニューも用意されているので丁度いい。この店にはテラス席もあり、天気の良い日などはこの席で子供連れの家族が食事を楽しんでいる。でも、残念ながら今日は少し肌寒いので店内に席を用意してもらった。
子供というのは、食のことになると「お腹よりも目が大きくなる」と英国ではよくいわれるが、全くその通り。他の席に運ばれて来た料理が可愛かったり、美味しそうだったりするとあれも欲しいといいだす。本人のお腹の容量など一向におかまいなしだ。そして、決まってデザートから決める。それも、一つではない。でも、食に対してこんなにも純粋に執着する彼にどこか親近感を覚え、「それじゃ今日は君の食欲?に協力しようじゃないの」と、メインはキッズメニューから二つ選んだ。というのは、平日の12時〜15時迄はキッズメニューにデザートが付いて£5.50とお得。彼には悪いが、子供と一緒のときはこのほうが経済的で大人のお財布には優しいのだ。しかし、これだけでは私達の食欲が満たされない。そこで、サイドディッシュにペルー料理のパルービアン・チキン(Peruvian Chicken£4.95)、海老フライ(Japanese Crisp fried Tiger Prawns£4.95)とピリッと辛いサラダドレッシングがかかった生野菜サラダ(£2.95)も注文した。まずは、サイドディッシュの三品がデーブルに。その瞬間、食いしん坊キッズの大きな目がその三品をジッと見詰めだした。デザートのことなどすっかり忘れている様子。そしてお母さんの「どうぞ」という合図と同時に海老フライに手が伸びた。最初の一口は良かったのだが、二口目を口に入れた瞬間、彼のしかめっ面と一緒にその海老フライがお皿に戻された。好奇心のあまり、添えられてあったチリソースを付けて食べたのだ。しかし、気を取り直し次はパルービアン・チキンをひとかじり。またまた返品。これは私達が気付かなかったのだが、串焼きチキンにかけられているソースには香辛料が入っていたのだ。「ゴメン!“つらい”ならず“からい”経験をさせてしまったみたい」。でも、二品共淡白な味なので、これくらい香辛料の効いたソースでないと私達大人には物足りない。三品目の生野菜サラダには、さすがに彼は興味を示さなかった。子供の野菜嫌いはどこでも同じなんだな。豆類、ワイルドロケット、人参、そしてプチトマトの野菜類にピリッと香辛料の効いた醤油味ベースのタイドレッシングのかかったサラダ。緑黄色野菜をたくさん食べたいときなどは持って来いの絶品。毎回私が欠かさず注文する一品だ。
そして、メイン料理の登場。キッズメニューとはいえ、女性の空腹を満たすには充分の量だ。食いしん坊キッズの希望でハンバーガーと焼き卵麺の二品にしたのだが、結局当の本人はハンバーガーを少しかじっただけ。お目当てのデザートを期待し、キリンのように首を長くして待っている様子。一方の私達は、このキッズメニューを頂いた。淡白な味の子供食に慣れている友人は「子供向けはこんなものよ」と平気な様子だが、私の嗜好には合わない味。テーブルに用意された塩、胡椒、醤油、ケチャップなどで味を調えてはみたものの・・・やっぱりダメ。いつもの大人向けのメインを注文するべきだった、と後悔。
最後は待ち兼ねたチョコレートブラウニーのアイスクリーム添えとイチゴシェイクがテーブルに。何を隠そう、実は私もこれを待っていたのだ。この美味しいデザート類も私がこの店に魅了される理由の一つ。アイスクリーム・サンデーを食べているときなどは、今日の彼顔負けの笑みが浮かんでしまうのだ。
こうして、世界の料理と出会い、新しい味を経験しながらいろいろな国の話に触れてみるのもいいかも。食を通して親子で世界の国々を知るって楽しいと思うな。 (茉)
(2006年10月取材)
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