英国に住んでいて感じるのは、鮮度のよい魚屋が手に入りにくいことだ。広めのスーパーマーケットには魚のカウンターはあるが、並ぶ魚の顔ぶれは年中同じ。
エリアによっては、せっかくあるカウンターでも利用客が少いのだろう、商品の回転が悪く、臭うものを買わされたイヤな経験もある。
しかし、エンジェルとイズリントンの間にある魚屋『Steve Hatt』は、土曜日になると行列ができるほどの人気の店。新鮮な魚を扱うのはもちろん種類が豊富で
まぐろ、イカ、たこ、小アジ、ホタテ、カジキマグロ、スズキ、ヒラメ、カレイ、、、と常時約20種類の魚が並ぶ。季節になれば牡蠣やワイルドサーモンなどが売られ、顔ぶれが変化するのもうれしい。
サバなんて、ピカピカしていて惚れ惚れする。シメサバにしようか、それとも簡単に2枚におろして塩焼きにしたら美味そうだと思うと、つい買ってしまう。先日は、スモークされたたらこを買った。
スモークされているのがちょっと残念だと思ったが、ご飯にそのまま、たらこスパゲティ−に、タラモサラダと大活躍した。日本人に人気のsmoked mackerel (スモークされているサバ)は、ここで買ったらもう2度と他では満足できなくなるほど本物の味だ。また、寿司ネタにできるものはあるかと聞けば親切に教えてくれる。
ともかくこんな魚を眺めていると「天ぷらには、これを。煮付けには、あれだな。塩焼きにはあれも。。」と料理への意欲が湧いてついつい買い過ぎる。
さらに、若くてハンサムな男性の売り子たちが、てきぱきと並ぶ客をこなすのを見ていても気持ちがよい。魚は3枚にしてくれるし、旬のものが買え、こんなにワクワクさせられる魚屋はそうない。
こんな店があったらもっと英国人も魚好きになれるのに、、と思うのは日本人だからだろうか。 |