ウェールズにいく用事があり、かねてから行ってみたかったパブ「The Stagg inn」に寄ってみた。Herefordから車で30分程のところにあるこのレストランは、パブとしてはじめてミシェラン星を取得したため、近郊の村人たちでいつも混んでいる。
地方のレストランのいい点は、地元のものを上手に使う。ここでは、定評のあるHerefordshire産の牛肉や、ローカルで評判よいチーズ、ワイン、野菜、果物、オーガニック製品をサーブしている。
季節と場所柄といいスプリングラム(生まれて数ヶ月の羊肉をさし、ウェールズが有名な産地だそうだ)があるか聞いてみたが、今年は寒かったのでまだ市場にないそうだ。残念。しかし、この付近を車で走ると見かける 親と一緒の小さな羊を食べるのは、なんだか気が引けるのでよかったかも。
おおよそ2週間後ぐらいには市場にでるそうなので、柔らかい肉として有名なので、機会があったらやっぱり食べてみたいな。
さて、メニューを決めよう。スターターには、ホタテ貝のソテー(Scallops on Cauliflower £6.70)と連れは鳩の胸肉ソテー(Pigeon breast £6.50)を注文。カリフラワーをピューレ状にした上に、たっぷり数の載ったホタテ貝はうれしい。意外な組み合わせだが、苦みのあるカリフラワーと甘みのあるホタテがよく合う。カリフラワーのフライも味のポイントとなっていい。大きなポーションだ。鳩は結構味がきついな。しかし、連れは美味しく食べている。肉のしたにある野菜の付け合わせは,セロリアック(Celeriac。根セロリと言われカブとセロリを足したような味)とアップルのピューレ。この組み合わせは、かなり挑戦的だな。
メインは、土地柄名 Herefordshire のビーフフィレステーキに決めた(Fillet of Herefordshire Beef £16.90)。ともかくビーフが厚く、量が多い。スターターをすでに食べているので、2人でシェアしてもいいくらいだ。肉は柔らかくおいしい。 肉の下に敷かれたカリカリに揚がったポテトがいい。ソフトな肉とのコントラストがよく気に入った。また、同じく連れが頼んだ味違いのフィレステーキには、マッシュルームのソテーがつく。この焼き具合と味がとてのよく、感激した。肉の質といい、付け合わせといい素直においしいといえる一品だ。ステーキには、季節の温野菜がつき、そのボリュームはすごい。
ここで、すでにお腹はいっぱいだが、どうしてもデザートまで試してみたく挑戦した。パッションフルーツのタルトのマンゴシャーベット付きと連れは、20種類の中なら4種類選べる地元のチーズの盛り合わせだ。タルトは、クリームチーズケーキ風の表面を焦がしている。酸味のあるケーキと甘みのあるマンゴシェーベットはよくあう。
チーズは、お得感いっぱいの盛り合わせ。チーズ好きなら、ぜったいにオーダーすべき。羊、ブルーチーズ、カマンベール風とチェダーを切り分けてもらい連れは、大満足。
さすがにカントリーサイド。ともかくボリュームが多いので、3コースをこなすにはかなりお腹にスペースがいる。料理も価格もロンドンに比べて安いが、おいしいワインの価格がリーズナブル(ボトルで£11.90〜£30未満)でうれしい。飲食の他、宿泊も可能だ。
これからの季節、畑一面に広がる黄色の菜の花が目に美しいので、車で出かけてみては?(2006年4月) |