冬の英国でうれしい食べ物のひとつは、生牡蠣だ。老舗のオイスターバー＆レストラン「Bentley's Oyster Bar and Grill」が、ミシュラン 1 星をもつ『Lindsay House』のオーナーに買わた。 『Lindsay House』は、ソーホーにあるモダンブリティッシュのレストランで評価は高い。興味津々で11月に新しく改装され生まれ変わったレストランにさっそく行ってみた。

　オリジナルの形を残しながら、内装はトラディショナルな英国調だが、懐古的にならず明るく、若々しさがあり好感が持てる。1階は軽く食べて、飲めるバーがあり、2階がレストラン。レストランのお客は、パリッとスーツを着たジェントルマンと呼ぶのに相応しい年配のビジネスマンが多いようだ。しかし、ウエイターが、ウイットにとんだジョークがでるなど、堅苦しさがないのはいい印象だ。

さて、さっそく注文だ。スターターは既に決めてある。もちろん、オイスター。 英国で食べられる牡蠣は一般的に2種類で、日本でおなじみの細長い牡蠣（ロックオイスター Rock Oyster ）と円形の牡蠣（ネティブ オイスター Native Oyster) がある。慣れ親しんでいるせいか、どうもロックオイスターが好きだな。うれしいことに、何処でもこの牡蠣のお値段が安い！！
  出てきた ロックオイスター（Rock Oyster 6個 £9) は、海の香りいっぱいで、冷たく、プリッとしていてうまい！！。新鮮だな。ワインは、バスクの白　 Txacoli de Guetari £23.10にしてみた。まだ若いので、ちょっと発砲感のあるシャープな味に仕上がっているが、これが牡蠣とよく合う。正解だな。
  牡蠣には、タバスコやワインビネガーなどいろいろでてくるが、やはりレモンが一番だ。ついてきたレモンには、カーゼがかかり、果汁が飛ばないようになっているのもうれしい気配り。
  2つの牡蠣の味を食べ比べることができるミックスのメニューもあるので、興味のある人は試してみて。

　メインもやはり魚だろう。マレット（ボラ）とカボチャ（ Red Mullet with Roast Pumpkin £17) と連れは、アンコウのペイストリー（包み (Monkfish with ceo Duxelle Wrapped in Pasty £18) を注文した。香ばしくグリルしたマレットは、弾力感があっておいしい。ちょこっとついた焦げ目がなかなか美味。カボチャは、ちょっぴりスパイシーな味付けをしてローストされている。甘いカボチャがマレットとよく合い、付け合わせの魚のソースもさっぱりしていて、なかなか日本人の口にあううれしい料理だ。
  一方アンコウは、パイ生地にほうれん草、キノコ、アンコウを巻いたもの。切り口の色合いと味のコンビネーションを考えた料理だ。ソースには、チャイブの入ったマヨネーズソースにピリッと効いたタマネギが気が利いている。

　どれもややポーションが小さめなので、ラクラクデザートが頼める。今回の料理はどれも評価は高いが、絶賛だったのは連れが頼んだデザートのチョコレートのペイストリー（ Crispbaked Chocolate & Chestnut with Rum & Mascarpone Sabayan £6.50) 。生地は違うが、シュークリームのような形をしたお菓子に、フォークをいれるとラムがちょっぴり効いた暖かいチョコレートクリームと栗が見える。この栗とチョコクリーム、相性がいいのだろう、おいしい、おいしいと最後のクリームまで まで平らげていた。 寒い季節に、こうした暖かいデザートは心もあったかくなるのか、とても喜こんでいた。

　スターターには、タイ風魚のスープ、またメインの魚料理も、ただグリルだけという単純な伝統的な料理法だけではなく、新しさを取り入れている料理が多い。メインの単価がやや高めなのは、魚レストランに共通するところだろうか？
  誰かをお連れしたり、ちょっとリッチに魚料理を食べたい時にはお勧めなレストランだ。