紅葉を見物に有名な Westonbirtへ行くことにした。その近くに 有名シェフ、 ギャリー・ローズ の弟子がやっているガストロパブがあると聞き、 2つの楽しみを求めて出かけた。
ロンドンの北から約3時間、ガストロパブ「The Trouble House」は、バースの北テットベリー(Tetbury)から数分のA433沿いにある。天井が低く、煖炉があり、パブとインが一緒になった古い建物という典型的な田舎のパブ。
メニューの第一印象は、さすがギャリー・ローズの弟子だけあって、イギリスの伝統的な料理が豊富だ。さらにこの地で手に入る鹿や野うさぎの食材を使った料理もある。 ギャリー・ローズといえば、イギリス料理をきっちりと作り、盛りつけのエッセンスをフレンチなどのアイディアを取り入れ、イギリス料理の存在をランクアップさせたシェフと聞く。どんなものがでてくるか楽しみだな。
パブなのでカウンター迄出向き注文するようだ。我々は、コンサバなメニューにはどうも目が向かないようだ。スターターには、エシャロットのタルトタタン(Banana Shallot Tart tatine £5.75)とフレンチブリとイタリアのトリフ(Brie de Meaux With New Season Truffles £ 6.00)を注文。初めて訪れるレストランの楽しみは、メニューから「これが、いい感じだな。」と選び、頼んだ料理がでてくるまでワクワクして待っている時間だろう。
さあ、エシャロットのタルトタタンの登場だ。大きな白い皿に、緑と茶色のジクザグに描かれたソースに目が奪われた。色のコントラストのよさとダイナミックさが、白い皿に映えてアートのように奇麗だ。生野菜と人参、パスニップスを薄くスライスして揚げたものが混ぜあわさったサラダの上に、表面にしっかり焦げ目がついたエシャロットのパイが載っている。サクサク感としっとり感で食が進むスターターだ。一方のブリとトリフは、想像とは裏腹にシンプルな料理だ。ブリにトリフを挟み、またその上にトリフが載っているトリフづくしのスターター。トリフは、暖かさに反応して香りがでるような気がするので、この冷たい料理には、香りが生きていなくて残念だった。しかし、カリカリにトーストしたパンと付け合わせのプラムがこんなにブリとマッチするとは意外な発見だ。
メインは、これこそイギリス料理といえる豚の頬のグリル (Grilled Tamworth Pig Cheeks Creamed with Beans £14.15)とオヒョウの自家製スモーク&イカスミリゾット(Home Smoked Halibut and Squid Ink Risotto £16.25)を頼んだ。豚の頬は、かなり塩味が強い。しかし、さすがプロだな。つけ合わせの豆とブラックプティングの塩加減を控えめにし、全体のバランスを取っている。一番上のピンクのプロシュート、ブラックプティングの黒、頬の茶色と豚づくしで色のコーディネートを完成している感心の一品だ。
オヒョウの スモ ークは、実にうまく仕上がっている。イカスミのリゾットと一緒に食べると堪えられないくらいうまいな。一番上のイカは、まったく独立した味で2つの料理を楽しんでいるようだ。どちらのメインも黒色をポイントに使うなど、どうやら盛りつけの色にかなりこだわっているようだ。
お腹がいっぱいになって来たが、やはりデザートに挑戦だ。デザートの組み合わせ(Dessert Plate £8.50)を2人でシェアーすることにした 。小ぶりの 6つのデザートが大きな皿に載りやってきた。テクスチャーを楽しむバニラカプチーノ。抹茶を思わせるグリーンと苦みが美味しいピスタチオのアイスクリーム。ダークチョコレートが効いているタルト。エルダーフラワーのゼリー。コアントローのオレンジがしっかり効いているスフレ。品のよいカスタードのライスプティング。ボリュームがあるので、やはり数人で食べたいところ。
土曜日のお昼は、多くのテーブルにリザーブの札が乗っていた。予約は必須だろう。ゆっくりと時間が流れる田舎で食事を摂るのも悪くない。日帰りでなければ飲めたのに、ちょっぴり残念だった。
紅葉は、桜と同じで風が強いと葉が落ちてしまう。来週までなら、なんとか持ちこたえると思うので、日本の紅葉が恋しい方は出かけてみては? 紅葉は、来週でもまだ楽しめると思うが、桜と同じで風が大敵なので、天気次第だろうか |