北インドの老舗レストランがロンドンにオープンしたと聞いたので行ってみた。場所はコベントガーデンとホルバーンの間で、フリーメイソンのビルの隣にある。レストランは、バーと見間違えてしまう程ボトルをきれいにディスプレイした外観や、現代的で豪華な照明を施す内装で高級感を演出している。
さっそくオーダー。スターターに頼んだシーバスの唐揚げ(Kararre Macchi £7) は、クミンがピリッときいているスパイシーな一品。上に乗っている野菜との組み合わせが、さっぱりとしていて食欲をそそる。 スパイシーな料理は、時としてオリジナルの素材が楽しめないが、このスターターはしっかりとシーバスの味を楽しめるのが素晴らしい。インド料理は、マサラと呼ばれる秘伝のスパイス調合によるバランスが大切で、それによって素材の味を引き出せるかが決め手という。また北の料理は、一般的に味が濃く、肉料理が多いそうだ。メインには、タンドリの中からラム(Barra Peshawari Lamb £11)とハウスカレーのチキンティカ(Murg Makhanai £14)を注文。ラムは、それはどこまでも柔らかく、スパイスとのコンビネーションがとてもよい。付け合わせのチャツネは、とてもフレッシュでオリジナリティー溢れるすばらしいもの。カレーは上品な味付けで、こんなクリーミーでリッチでエレガントなカレーは、初めて口にする。始め甘く辛さが物足りないと感じるが、次第に辛さがでてくる不思議なカレー。具のチキンもなかなかうまい。すべてが1品料理なので、ナンかご飯を頼むが、ナンは上品なサイズなので1人1枚は必要だ。サラダにしても、サイド料理のレントルにしても、辛いがいつまでも口に残らないのが不思議だ。
デザートメニューには、興味深いものが並ぶ。イチジクのアイスクリーム(Fig Ice Cream £5)は、イチジク入りのアイスとシェリーにつけられたイチジクが、辛さに耐えてきた締めくくりに丁度よい甘さのあるデザートだ。インド特徴の甘いデザートとして、(Caramelised Carrot Halwa £5)がある。人参をミルクで煮、カーダモン、レーズンを加え、たっぷりの砂糖を入れたデザートは、スパイスのせいだろうがインドのキャロットケーキのようだ。
いつものカレーとは、ちょっと違う上品なインド料理が食べたい時には、お勧めの店。夜は高めなので、興味のある人はまずランチを試してみては? |