Vol.33

海辺の側でゆったりとフレンチを味わう
「36 ON THE QUAY(36 オン・ザ・クウェイ)

店の外観

見事に重ねたディスプレイが美しいホタテ貝のソティー

焦げ目と塩加減が程よくおいしいシーバス

ラングスティンのソースがおいしいマトウダイのソテー

 ポーツマツ(Portmouth)の近くに行く用事があり、その近くでランチを取る事にした。漁港町エムスワース(Emsworth) は、町の中心に最低必要な店が揃う、1時間もあれば見終わってしまう典型的な小さなビレッジ。しかし、引退生活を楽しむ老人や1人用のヨットを楽しむ大人や子供たちで浜辺は賑やか。そんな人々の海辺で遊ぶ風景を間近に見ながらランチをいただける36 ON THE QUAYは、品の良いクラッシック調の内装、布張りの大きな椅子とこじんまりとしながらもリラックスできるフレンチレストラン。

 ランチ、ディナーともセットメニューが用意され(価格は下記参照)、我々は、土曜日のランチセットをいただいた。3コースで£25と£35が用意されており、好奇心で両方を頼んでみた。

 スターターは、鴨のコンフィ(Duck confit)と ホタテ貝のソテー(Diver Scallops)。鴨のコンフィは、お菓子を思わせる目に美しい盛りつけだ。コンフィとは、予め低温でじっくりと加熱したもの。生の鴨肉を使用している料理とは違い歯ごたえはかなり柔らかい。鴨にすでに味がついているので、ソースの味付けが少し濃いかな?という感じがしたのがちょっぴり残念。

 ホタテ貝のソテーは、トップにホタテ、薄くスライスされたリンゴ、柔らかく焼かれた豚バラと重ねられた盛りつけが美しい。ホタテの淡白な味と豚のこってりした味という対称的な素材を使う事でコントラストをつけている、まずまずのスターター。ソースにバニラ味が入っているのは、新しい挑戦だろう。

 メインは、シーバスのフライ(Roast fillet of Seabass ) とマトウダイのソテー(John Dory)。ともかく感心してしてしまうのは、すべての盛りつけが素晴らしいの一言。シーバスにしても、5段に重ねられた盛りつけは、崩すのがもったいないほど。シーバスは、焦げ目と塩加減が程よくおいしい。一番下に敷かれたソース自体は美味しいのだが、私はシーバスの味を追求したいので、つけずにいただいた。

 一方のマトウダイは、なじみのない名前だがフランスや日本でも高級魚として知られているとか。この盛りつけもすばらしが、一つ一つの調理が凝っている。一番上にあるエビを挟んであるフライは、じゃがいもにマーマイトらしき味をつけ揚げてある。エビとマトウダイ、じゃがいも、レタスなど安定感のないものを上手に重ねるのは大変な技だろう。そして、ソースにはラングスティンベースのソースが品よく仕上がり、最後の1滴までもおいしい完璧な出来上がり。

 デザートは、少々凝りすぎてまだ、実験段階のように感じた。シンプルなアイスクリームなどがおすすめかな?

 2つのセットメニューを比較すると、ホタテとマトウダイがメニューにある35ポンドが高いがお勧めだった。海の反射が差し込むレストランでゆったりと過ごす午後もなかなかいいものだ。レストランの上には、宿泊施設もあるのでのんびりしたいときにはお勧め。

   
36 ON THE QUAY
47 SOUTH STREET, EMSWORTH,
HAMPSHIRE PO10 7EG
Tel :+44 (0)1243 375592
www.36onthequay.co.uk/
1人あたりの予算 £25〜
平日ランチ:2コース£17.95, 3コース£22.95
土曜日ランチ:2コース£25, 3コース£35
ディナーコース:£42.95
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