またしてもミシェラン1つ星レストランのディナーに行って来た。場所はロンドンのシティーの東にあるBethnal Greenより徒歩3分程度にある「Viajante」。その昔はタウンホールだったこの建物は、スタイリッシュなホテルとして再開。このホテル内にあるこのレストランは、シンプルな内装でこぢんまりとして落ち着ける。
メニューはシンプル。ディナーは6コースか12コースの
テイスティングメニューのみで、さらにワインなどの飲み物付きか否かである。我々は、飲み物付きの6コース£115にした。
料理は全て決まっているので、メニューからあれこれ選ぶこともなくのんびりしていると、さっそく出てきたのが、アミューズブッシュ。カニのコロッケ、外側がパリッとしたタイ風味、また塩味の効いた小さな料理と3品がでてきた。どれも複雑な味で不思議な感じだ。その後、ほんの一口サイズだが、マレットやモンゴウイカ、ベビーポテトとそれぞれ存在感のある料理が続いて出てきた。連れがワインがでてこないなぁーとウェイターに聞いたら、なんとここまでがアミューズブッシュといわれ、一同驚いた。
どれももっと食べたいなーという感じで終わっている料理ばかり。すごいなー。
さて、ワインもでて、ここからがさっそく料理だ。でてきたのは、ウニ。
うすーいダシとオイルの冷たいスープにウニが入っている。ウニの味を引き出すためにここまで薄くダシを使うとは、シェフの繊細な舌加減が伺えるこれからの料理がますます楽しみなスターターだ。次ぎに来たのは、綺麗な緑色のスープに入ってきたホタテの刺身。外側を軽く焦げ目を付け、生の食感を残し、また繊細な刺身の味を壊さないような薄目のスープ味。すごいなー。さすがスペインのエルブリで修行したシェフだ。次にでてきたのは、レモン味を基調にしたセロリとリコッタの料理。ここでサーブされたワイン”Els Bassotets”が、なんとレモンの味がする。凄いマリアージュだなー。と感心してしまう。
その後、上手に使ったソルトタラ、味わいのある豚のほほ肉、カリカリと食感を楽しめる豚のテールとどれも個性的な料理と続き、お口直しということで緑のオリーブがでてきた。口に入れるとあれ?これはオリーブではない。実はこれ黄色のキンカン。ほうれん草で色付けしたそうだ。中にはゼリーが入っている。客の意表をつくのも料理人の楽しみなのだろう。
デザートには、キュウリの味がするソルベ、フローズンのパンナコッタと続き、プチフールまですべての1皿は小さいが、ワインも飲み、気がつくと時間が12時となっていた。最後は慌ててしまったので、食事は7時前スタートするのがお勧め。
1つ1つのワインの選択もすばらしく、こんなワインがあるのかと驚き、また料理もこれは何?と楽しく美味しい時間を過ごした。
場所は、ちょっと不便な感じがあるが、ぜひ、お勧めしたいレストランだ。 (か) 2011年11月取材 |