ショーディッチに新しいイタリアンレストランを見つけたので、トライしてみた。
清潔感漂う外観と同様、白を基調としたすっきりとした内装も好感が持てる。
スターターには、「牛肉のカルパッチョ(Carpaccio di Manzo)」(£9.90)「Lenaサラダ(Insalata Lena)」(£6.50)をオーダー。カルパッチョは、香り高い上質のオリーブオイルと塩こしょうのみの味付けだったが、素材の味が引き立っている。とろけるように柔らかい牛肉にパルメザンチーズの旨味と塩気も加わって、ぜひとも味わってほしい一品だ。サラダには、チコリ、クレソン、くるみ、ペコリノチーズ、洋梨が入っており、チコリの苦みと洋梨の甘さが一際よくチーズに合っている。
メインには、「茄子のパルメザンチーズ(Melanzane alla Parmiggiana)」(£9.00)、連れが「ローズマリーのフェットチーネ(Fettuccine al Rosmarino)」(£15.90)を、サイドには「トマトサラダ(Tomato Salad)」(£2.90)を注文。茄子は、パルメザンチーズとトマトソースを挟んで重ねて焼かれており、大量のロケットサラダに埋もれるようにしてサーブされた。見た目も美しくない印象だが、一口食べて無言になってしまうような、可もなく不可もなくといった感想。もう一度頼むか、と問われれば否だ。それに引き換え、連れのフェットチーネは、爽やかなローズマリーの香りに、子牛肉のトマトソースがうまくマッチし、上品な味わい。そして、驚くべきはトマトサラダ。濃厚なトマト、シャキシャキのオニオンをオリーブオイルでマリネし、こしょうが少々振られたこのサラダは、単純な調理法にも関わらずびっくりするほど美味しかった。トマトの酸味とオニオンの辛みが強すぎず、それでいてただ単に”さっぱり”だけに留まらない深みがある。
スターター、メインともに、量が多く、さすがにデザートまでは頼めなかった。全体的な印象としては、実直なイタリアンといったところ。本格イタリアンではないが、従来のレシピに忠実に、素材を壊さないように調理されているのがわかる。ワイン1本と2コースで一人£35とそう高くない上、リーズナブルなセットメニューもあるので、カジュアルなディナーにぴったりではないだろうか。
(ゆき)
2010年9月取材 |