ロンドンでインドカレーがおいしく食べられる所というと、真っ先にBrick Laneが挙げられるが、今回訪れた「Mirch Masala」はAldgateとWhitechapelより南のComercial Road沿いに位置する。ここは数ある支店のうちのひとつで、本店は南ロンドンのNorburyにある。
明るめの店内では、インド、パキスタン系の人種が多く、家族連れやカップルで食事を楽しんでいる。先ずは、定番のスターター「ベジタブルサモサ(£1.20)」「オニオンバジ(£2.50)」「チキンティッカ(£4.00)」を注文。サモサは、サクサクの皮にスパイスの利いた結構辛めの具が包まれており、熱々を食べるのが最高だ。オニオンバジは、良くある円形に成形された物でなく、どちらかというと、かき揚げのようだ。こちらも、外はパリっと揚がっており、中のオニオンは甘みが強く、衣の辛さと良く合う。ビールのつまみに、いくらでも食べられそうだ。訪れたら絶対に注文すべき!と断言できるのは、ジューシーなチキンが病み付きになるチキンティッカ。ナイフをあてるとほろりと崩れるチキンの柔らかさ、複数のスパイスが繰り広げる味の深み、熱々の鉄板でチキンのうまみをたっぷり吸ったオニオン・・・どれをとっても、今まで食べたティッカの中でもトップレベルだ。
調子に乗ってスターターを沢山食べてしまったが、メインがまだだった。私は「ミックスベジタブルカライ」(£5.00)、連れは「チキンティッカマサラ」(£7.00)とサイドに「ボンベイポテト」(£4.00)を頼んだ。ティッカマサラは、特筆するべきものもない、普通の美味しいカレーといった感じだ。あえて言うなら、具のチキンがやはり口の中で崩れる程柔らかく、ソースとの絡みもちょうどいい。「ミックスベジタブルカライ」の“カライ”とは、インド、パキスタンでポピュラーな鋳鉄で作られた小さな鍋のこと。煮込み料理に適した鍋の名前が付いたこの一皿は、野菜の旨味が最大限引き出されており、驚く程濃厚で、絶品と言える。特に、ねっとりとした茄子、ホクホクのじゃがいもは、連れに分けるのを忘れて、完食してしまった。ボンベイポテトも、じゃがいもの甘さとかなり辛めのソースが食欲をそそる。ちなみに、全てミディアムの辛さで注文したが、あまりきつ過ぎず、それでいて物足りないわけでもない、絶妙のさじ加減だった。
また、飲み物に関しては、ソフトドリンクのみで、もちろんおなじみのヨーグルトドリンク「Lassi(ラッシー)」も飲める。アルコールは「BYO(Bring Your Own)」で持ち込み可能となっており、テーブルにビールを置いた時点で店員が栓抜きとコップを持って来てくれる。
さらに、これだけ食べて、二人合わせて£30に満たないリーズナルブルさ。財布もお腹も大満足である。(ゆき)
2010年6月取材 |