以前から気になっていたスウェーデン料理のレストランに行ってみた。「Fika(フィカ)」は、トレンドの中心街ともいえる、Brick Laneの北に位置しており、週末はマーケット帰りの人々で賑わっている。
スターターには「Pickled Herring(ニシンの酢漬け)」(£4.60)と「Gravadlax」(£5.20)をオーダーし、シェアする事にした。ニシンは異なった3つのソースに漬けられており、初めの一口はどれも爽やかな口当たりだが、時間が経つにつれ、オニオンの甘みが広がるもの、ディルとレモンが香るもの、純粋にニシンのコクが楽しめるもの、と三種三様の個性があった。Gravadlaxは、スカンジナビアの料理の中でも極めて一般的なスターターとして知られる。生の鮭を塩・砂糖・ディルに2日間漬けたものを薄く切り、ホヴメスタルソースというディルとマスタードのソースを添えていただく。スモークサーモンと違い、塩気があまり無い代わりに、ほのかな甘みが濃厚なサーモンの旨味と上手く調和しており、辛口の白ワインによく合う。
メインには、シグニチャーディッシュであるPlanksを注文。これは、薫製のオークのボードにメインディッシュとマッシュポテト、グリルしたトマトがサーブされる、見た目にも美味しい一皿だ。Planklax(£13.50)は、グリルしたサーモンにオランデーズソースというシンプルなものだが、オークのスモーキーな香りが食欲をそそる。しかし、残念な事に、サーモンの下味が十分でなく、オランデーズソースのクリーミーさに負けてしまっていた。連れのステーキも、ミディアムレアで注文したにも関わらず、どちらかというとミディアムでサーブされたところもマイナス点だ。ステーキ肉自体は、歴史あるSmithfield's Meat Marketのもので、ジューシーな肉汁が「これぞステーキ!」といったボリュームで、焼き加減さえよければ十二分に楽しめた事だろう。
メインでがっかりさせられたものの、スターターは別格といった風で、しっかりとした食事でなく、小腹を満たすスナックや買い物で疲れた身体を一休めするには最適のレストランなのではないだろうか。(ゆき)
2010年5月取材 |