地下鉄ベーカーストリート駅から徒歩２分という好立地にある中華レストラン、フェニックス・パレス（Phoenix Palace）は、味、雰囲気、サービスなどどこをとっても大満足できるお店。飲茶は土日も含めて毎日午後5時まで出しており、時間を気にせずゆっくり楽しめる。

　飲茶は全80種類。麺やご飯もの以外はほとんど２〜３ポンド代という良心的な値段設定がうれしい。

　大定番のえびのシュウマイ（Prawn Dumplings、£2.40）は、プリプリした食感と、薄い皮にえびがぎっしり詰まった「えび率」の高さが感動的。シュウマイはほかにも、鶏肉や豚肉＆えび、ベジタリアンなどのほか、ふかひれ、えび＆チャイブ、豚ひき肉＆ピーナッツなどがあり、どれも最高級の素材をぜいたくに使っている。

　大人気の腸粉（チョウフン）も、必ず試したい一品。ホタテ貝の腸粉（Scallops、£3.60）は、大きなホタテ貝と隠し味のコリアンダーのマッチングが絶妙。皮はしっかりと厚く、ボリュームたっぷりのホタテ貝をしっかりと包み込んでいる。こちらもえびや鶏肉、豚肉、牛ひき肉などたくさんの種類があり、何回行っても飽きない。

　ほかにも、濃厚な味付けで満足感たっぷりの五目ちまき（Glutinous Rice in Lotus Leaf Wrap、£3.00）や、ふっくらとして甘みのある皮が美味しい肉まん（Pork Buns、£2.00）、えびがパンパンに詰まったベトナム風生春巻き（Vietnam Rolls）と、粒ぞろいのメニューが並ぶ。キングプローンのコロッケ、サラダクリーム添え（King Prawn Croquette with Salad Cream、£2.50）は、タルタルソースに似た味のサラダクリームと熱々のコロッケの相性が抜群。またデザートにはぜひ、クリーミーなエッグタルト（Egg Tart、£2.00）を。プリンのようにトロリとしてほんのり甘く、食後の締めにぴったりだ。

　ディナーメニューも選ぶのに迷うほどあり、その数なんと200種類以上。他ではあまり食べられない珍しいメニューなら、目にも鮮やかな「イン・ヤン・ライス（Yin Yang Rice、£7.80）」がお勧め。写真でもお分かりのように「陰陽」のマークを描いたこの料理は、中国では結婚式などおめでたい席でよく出されるという。フライドライスの上に鶏肉＆野菜のトマトソース煮と海老＆卵の中華風炒めがのっていて、昔懐かしいような素朴な味が楽しめる。

　同店自慢の鰻のハスの葉包み（BBQ Eel in Lotus Leaf Wrap、」16.00）は日本で食べる蒲焼のような風味。スズキの身がこぼれそうに柔らかく、ご飯が進みそうだ。

　店内は広く、内装も中国の王宮を思わせる豪華さ。テーブルはスペースに余裕を持って配置されており、店員の応対も丁寧なので、小さなお子様連れでも安心して来店できる。ロンドンで中華というとつい中華街に足を向けてしまいがちだが、味、値段、サービス、雰囲気など、どれをとってもソーホーの店よりはるかに勝るというのが巷の評価。セントラルの真ん中と行きやすいので、ビジネスに会食にと幅広く利用できる。