今回は、1729年から続く老舗パブ「The Lamb(ザ・ラム)」を訪ねてみた。場所は、地下鉄Holborn(ホルボーン)駅から徒歩7〜8分のところに位置する。
外観は、今ではあまり見られないようなタイルの壁や、薄くなった文字が、歴史を感じさせる。店内もまたレトロな雰囲気。小窓のついたユニークなバーや、壁に飾られた数々のモノクロ写真、アンティークのテーブルや椅子に電器、どれをとっても古風で、まるで昔にタイムスリップしたかのようだ。
お客さんは、地元に住んでいるような年配の男性が多い。顔を合わせればお互いに話し始め、ここでよく会う飲み仲間なのだろう。馴染み客が多いようだ。
昔ながらのホームメイドパイ「1729 Celebration Pie」(£9.75)とクローネンバーグ(1パイント£3.55)を注文。
「1729 Celebration Pie」はマッシュポテトと野菜のソテー付き。早速サクサクのパイにナイフを入れてみたが、中は空っぽ。よく見ると、ビーフシチューの上にプレーンのパイがのっていて、具はパイの下にある。シチューの中には柔らかいビーフとマッシュルームがたっぷり。味は煮込んだビーフの旨みがよく出ていて美味しい。マッシュポテトは調味料などをあまり加えず、純粋にじゃがいもを潰したもので、このシチューとよく合う。
英国の古雅な雰囲気に魅せられて、時が経つのを忘れてしまいそう。たまにはこんなムードに浸るのも悪くない。 (千晶)
2009年2月取材 |