パリに住んでいた日本人の方に連れていってもらったことがあるレストランを再び訪れてみた。レストランの表では、シーズンとなった牡蠣が客寄せのように並べられ、オーダーに応じて殻が開けられていく。アールヌーボー風のランプ、古い壁、ビストロみたいな半分のレースのカーテンとうい内装は、気取りもなくリラックスできる雰囲気がいい。
さあ、オーダーをしよう。 見渡せばあちらこちらで、シャンペンと一緒に牡蠣を食べている。
牡蠣が好きなら迷う事はない、スターターには牡蠣で決まり! 牡蠣は3種類あり、すべてがロックオイスタータイプ。おもしろいことに貝の大きさに合わせて値段が違う。私はclairesという牡蠣のサイズ2番(6個で16.70ユーロ)をオーダーした。うーん、潮の香りがいっぱいのフレッシュさあふれるおいしさだ。なんていったってこの季節には、食欲をそそる牡蠣がスターターには一番いいなぁー。ああ、満足。
そして、メインにはアルザス地方のシュークルート(21ユーロ)。ソーゼージやベーコン、肉などが酢漬けのキャベツ(ザワークラウト)といっしょに煮込んだもので、ここでは4種類のソーセージとベーコン、豚肉または鴨肉が入っている。なんといっても、料理がさっぱりとしている事だ。その上、ソーセージはパリパリで、ベーコンや豚肉も脂が抜けて、付け合わせのキャベツと一緒にいくらでも食べられる。冷めないようにランプで暖めてくれる心使いもうれしい。しかし、何と言っても量が多いので、1人では食べきれない。ああ、残念だが残してしまった。連れは、ビーフステーキ。外は適度に焦げているが、中はレアだ。付け合わせのソースは昔ながらのペッパーソースとポテトのクリーム焼き。
デザートは、お腹が一杯になったので1つだけ頼む事にした。これもデザートの定番、アーモンドのシュークリーム風(Paris Brest10.50ユーロ)をオーダー。リング状のシューにアーモンドクリームがたっぷり入ったデザートで、さっぱりとした味。
ブラッセリーというこの手の店は、新しい味を追求するのではなく、いつでも必ずあるあのメニューを、あの味で提供できることを大切にしていることだ。今風のレストランもいいが、パリの味を知るにはこんななつかしの味が試せるレストランもおすすめだな。(か)
2008年11月取材 |