日本ではあまり知られていないが、英国やアメリカなどのセレブには、人気のホテル「クラリッジ」。ホテル内のレストランに手頃なセットメーニューがあると聞いてさっそく行ってきた。
ホテルは、アールデコを基調にしたデザインで、歴史と格調の高さが感じられる。英国ならではの室内デザインだ。入り口正面にあるティーラウンジがレストランの受付。
3コースのセットメニューは、ランチでも、夜でも£32.50と老舗としては、かなり手頃な価格。(メニューは、一週間毎に変更)スタータに選んだのは、アンコウ(Medallion of Monkfish)。連れ合いは、冷たいキュウリのスープ(Minted Cucumber Soup)。歴史あるホテル内のレストランは、伝統的な、つまりオールドスタイルな料理と思いがちだが、出された料理は、盛りつけも斬新なフュージョン系料理で、ちょっとうれしい期待はずれだ。アンコウは、味はもちろん、松の実の甘さとプリッとした魚のコンビネーションがとてもよい相性。スープは、大きめのコーヒーカップでサーブされ、まるでカプチーノのように泡だてられちょっとおもしろい。キュウリの味がほんのり口に残り、これから暑くなる夏にはピッタリのスターターだ。
メインには、ヒメジのフィレ(File of Red Mallet)と鳩の胸肉(Roast Brest of Pigeon)を注文。魚料理は、丁度よい塩加減だ。オリーブオイルを使いながらもお酢がアクセントとなり、あっさりとした出来栄えで、たいくつせずに最後までおいしく食べられた。鳩は、モツのような癖があるので、鶏肉が淡白と感じる方にはぜひ試してほしい。
デザートは、チョコレートタルトとパッションフルーツ(Chocolate and Passion Fruit Tasting)を注文。盛りつけに気が利いている。タルトを上手く立ち上げ、マンゴシャーベットとチョコの飲み物の3品をアート風にデコレーション。甘さ加減も丁度よい。お腹が一杯になったが、残すのがもったいないのですべて平らげた。コーヒーの代わりに最近お気に入りのミントティーを頼むと、いい香りがする。これは、フレッシュなミントを使用した匂いだ。さすが老舗と、予期していないだけに感激だ。飲み物には、おきまりのプチお菓子がついてきた。甘いものはお好きなかたは、お腹のスペース配分に気をつけて。
グリーンで統一されたソファーとリモージュに特別オーダーした緑の食器。広々とした空間で行き届いたサービス、ちょっとリッチな気分になれてこの価格は凄くうれしい。老舗は、服装やマナーなど堅苦しイメージがありつい敬遠してしまうが、意外にも気軽に食べられるのでぜひ一度訪れてほしい。ジーンズやスニーカ−を避け、男性は会社に行くのと同じようにスーツとネクタイ、女性はワンピースやジャケットさえ着ていれば、まったく引け目を感じない。ウエイターもとてもフレンドリーだ。アフタヌーンティーやホテル内にあるゴードン・ラムジーのレストラン「Gordon Ramsay at Claridge's」も今度試してみたい。
|