政治家やジャーナリストから長い間愛されているハンガリーレストランがあると聞き訪れてみた。
外観はパブのように見えるが、一歩中に入ると伝統的な英国クラッシクな雰囲気が漂う店構えで、壁を埋め尽くすように飾られている沢山のイラスト画が目に入る。これらのイラストは、英国の政治家やジャーナリストらで、イラストレーターは、アメリカの大統領、ブッシュを猿として描くことで有名なガーディアンのMartin Rowson。これを眺めているだけでも面白い。
さて、オーダーだ。スターターには、サラミやヘリング(鰊)の酢漬けが入ったオードブル風( Hungarian Hors d'Oeuvres £7.25)を頼んだ。ワイルドなグースとポークのパテ、数種類のサラミとソーセージ、ビートルートのディップなどの盛り合わせで、お得感いっぱいのハンガリーらしい美味しいスターターだ。
メインには、 私はロールキャベツ (Stuffed Cabbage, Sauerkraut, Smoked Bacon and Sausage £12.75) と連れは子牛のカツレツ( Veal Goulash Stew with Galuska £15.25)をオーダー。ロールキャベツは、ベーコンが上にのり、クリーム、そしてハンガリーのスパイス、パプリカが載っているちょっとスパイシーなもの。 子牛のカツレツは、見た目にも大きなサイズでボリュームは満点。下にあるポテトも手伝ってお腹は大満足。
ハンガリーの料理は、全体的に重い料理が多いので、お腹はかなりいっぱいだが、デザートは別腹ということで、ラムクリーム (Rum, Cream and Walnut Delicacy £5.25)と東欧のお菓子によく使われるポピーシードのケーキ(Poppy Seed Strudel with Vanilla Ice Cream £5.25)を頼んだ。
ラムクリームは、日本のモンブランケーキ風で、ラム酒に漬かったフルーツケーキの上に栗のはいったクリームがたっぷりとのっている。意外に軽い仕上がりで、モンブランケーキ好きにはうれしい出会い。ポピーシードのケーキは、 モチモチとした食感の皮や、 ぎっちり詰まったポピーシードが甘くて、なんだかアンと餅のようで好感が持てる味だ。ケーキは暖かくされていて、添えてあるアイスクリームと一緒に食べるとさらに美味しい。
50年もの歴史があるこのレストランは、気取りもなく、フレンドリーで居心地のいいレストランだ。プレシアターメニューなら、2コース14.50からあるし、ハンガリーの貴腐ワイン、トカイワインとともに料理に舌鼓を打ちながらゆっくりと過ごすのもいいだろう。(か)
2008年9月取材 |