レストランには、地方で成功してからロンドンのセンターに進出してくる店も多い。この店 Hibiscusは、ウェールズ地方の近くLudlowにあったミシェラン星を持つ店だった。予約をとるのがなかなか難しいという評判は聞いていたが、2007年後半にロンドンに移転開店し、2008年、早くもまたミシェラン星1つ取得したというので訪れてみた。
高級レストランのランチは、かなりお得。夜のようにゆったりとはできないかもしれないが、ランチで試してみて夜に出直すのもいいアイディアだ。
ということで我々は、ランチの予約の電話をしてみるとすでにいっぱいのようで、12時なら空いているという。英国で12時は早めのランチだ。仕方がないが、その時間で予約をし、店につくとまだ1組しかいない。しかし、1時半を過ぎると店は満席となった。席は、約46席と地下にあるプライベートルームがある中規模サイズのレストランだ。
ここのメニューはすべてコース設定になっている。昼は、21.50(2コース)、25ポンド(3コース)と60ポンド。
我々は、迷わず25ポンドの3コースにした。メニューは、すべて2品用意されているので、我々はすべて違う料理を頼み、昼の25ポンドメニューすべてをトライすることにした。
まずは、アミューズブッシュが出された。
リークのスープの上にフォーム化されたココナッツが入ったスープ。最近はこのフォーム化されたスープのタイプが多いなー。意外な組み合せだが、食前のいい刺激と丁度いいサイズだ。何気にだされた、外がカリカリで中がソフトのパンがとてもおいしい!
さて、スターター。私は2層仕立てのスープ (Royal of Ardeche Chestnut &Lemongrass)を注文。レモングラスがツーンときいたスープの上に、マッシュルームスープをテーブルに来てから注ぐ。それぞれのスープの美味しさが、混ぜると特徴が混じり合ってマイルドでまろやかになる。うーん、おいしいスープのうえ、組み合せがおもしろい。連れのスターターは、テリーヌ(Terrine of Pork & Foie Gros)。ポークとフォアグラの組み合せで、それはそれは上品な仕上がりだ。黒こしょうがピリッと効いている。つけ添いのクリーム羊のチーズとピクルスと一緒に食べると更に美味しい。
メインは、鱈のロースト(Roast Cornish Cod)とビーフ(Braised Blade of Beef)。鱈は、どうしたらこんな透き通った仕上がりになるのか、心憎いテクニックで焼き上げてある。表面にはオレンジの粉がかけられ、見た目も綺麗。付け添いの野菜に、香ばしく焼かれたナッツと野菜のローストがあり後引く旨さ。思わずお代わり!をお願いしたいほどの出来栄え。
ミシェラン星を持つと言う事は、こういった細かい部分にも配慮するで、気配りがうれしいなぁ。
さて、ビーフはBraisedと書かれているように、少し焼き、その後煮ているため、ナイフを入れるとポロッと肉が崩れる。肉は驚くほど柔らかく、付け合わせの甘めの果物ソースと食べるドライシチューと言った感じで、おいしくいただいた。
デザートは、私はチョコレートパフェ(Lime & Dark Chocolate Parfait)を選んだ。ライムのアイスとチョコレートケーキ、ココナッツのアイスとキャラメルのムース。複雑な組み合せの上、ライムという癖のつよい果実がデザートになるのは、やや難しいようだ。
連れのデザートは、チーズケーキ(Champagne Rhubarb cheese cake)。新春に取れるピンクのルバーブを綺麗に仕上げたソースとチーズケーキは良い仕上がり。付け合わせのアイスクリームが、なんだか変わった味がするので聞いてみると、四川のペッパー(山椒の一種)という。
デザート2種とも意外な組み合せを挑戦したのだろうが、私たちはもっとクラシックな感じが好きだったな。
そして、コース以外に頼んだエスプレッソには、 甘〜いファジのプチフォーがついていた。
サービスは、満点。雰囲気もいい。場所柄、客の年齢層は高いが落ち着いていていい。物価高のロンドンでミシェラン星付きで3コース25ポンド(12.5%サービス料が加算される)はだんぜんお得だ。店の入り口は、シンプルでつい見逃してしまいそうだが、探し当てていくのも楽しみの一つだろう。(か)
2008年2月取材 |