以前紹介したソーホーにあるフレンチ系のArbutus (アーブタス) に姉妹店ができたので行ってみた。場所は、オックスフォード・ストリートの裏、ハノーバー・スクエアーの近く。レストランとしては、小さめだが、天井が高く、壁には昔スタイルの模様、壁は木のパネルでクラッシックでありながら、照明インテリアには現代風エッセンスを取り入れ、新しさを演出している。なかなかゆったりとして落ち着けることに好感が持てる。
ここの特徴は、ほとんどのワインがグラスやハーフボトルサイズで頼めるという、うれしいサービスがあるので、我々は気になるワインをハーフボトルでいくつか頼むことにした。
さっそくスターターを頼もう。私は、レッドマレット(ボラ)のソティー(Red mullet, vegetables £9.95)、連れはチェスナッツのスープ(Soup of chestnut £7.95)に決めた。魚は、運ばれて来た時にいい潮の香りがした。新鮮な魚の証拠だな。そして、端がカリカリと気持ちよく焦げ目がつきうまい。付け合わせの野菜もちょっと酸っぱくてよい。連れのスープは、見た目はあまり食欲を誘う色合いではないが、チェスナッツのせいか甘く、スモーキーな味わい。スープストックがしっかり取れているのだろう、リッチな仕上がりで、こんなスープは始めてでおいしかった。
メニューは季節に合わせて変わる。秋から冬にかけてはゲームと呼ばれる、キジなどの猟鳥がおいしいシーズン。今日はキジがメニューにもある。「我々がサーブするゲーム類は、野生を捕獲しているため中に銃弾などが入っている場合もあります。」 と注意書きがある。 連れは、おもしろい!といいキジを頼む事にした(Roast English pheasant £14.95)。私は、魚のカレイのロースト(Roast piece plaice £16.95)を頼んだ。
キジは、随分と歯ごたえのある肉で、こんな食感は始めてだ。旨い!という連れが言った瞬間「あっ!」といい、何かが歯にあたったという。もしかして、銃弾のかけら?とワクワクしていると、本当に小さな破片?が肉に入っていた(写真参照)。うーん。野生のキジなんだと妙に感心した。付け合わせの豆キャベツは、小さいので大概そのままか半分にして調理するが、1枚、1枚はがして使用するとなんとも綺麗て可愛らしい。
さて、私のカレイは、なんとも分厚い、真ん中の骨の幅が1センチ以上のもあるせいか骨の近くはやや生っぽいが、気にならなかった。淡白になりがちな白魚に味がいっぱい詰まった小エビがアクセントとなり、美味しくいただいた。付け合わせには、キャベツのストック煮がついているが、これがなんとも上品な仕上がり。さすがこんなことにも手を抜かないなーと、感心させてくれるのがうれしいなぁ。
レストランの雰囲気もいい、ワインも気軽に好きなように飲める。料理も気が利いている。しかし、残念なことにデザートのメニューには、魅力的なものがなかった。その中ではお勧めなのは、トリクル・タルト(Treacle tart £5.95)。甘い蜜を使っているので、ともかく甘いが、カリカリに焼かれたタルトとアイスクリームの相性がよく、締めくくりにはピッタリのデザート。
スタッフのサービスは少しゆっくりめだが、フレンドリーだし、リラックスできる気軽なレストランだ。4人以上ならパーテーションで区切られたテーブルの予約も出来るので、誕生日などの特別な日にもお勧めできる。普通の日には、ランチメニューや17:30〜19:00迄に入り、3コースのプレシアターメニュー £17.50がだんぜんお得。ぜひ、試してみて。(か)
2007年11月取材 |