知り合いがロシア料理を食べに行こう!!と、アールズコート(Earls Court)にある「Nikita's Russian Restaurant and Bar」を訪れた。住宅地の中にあるこのレストランは、一歩足を踏み入れると闇夜に迷い込んだような不思議な店だ。レストランは、地下にありロウソクと間接照明だけの照明で暗く、壁には星や幾何学模様が壁全体に描かれ、なんとも言えない落ち着き感がある。
まずは、ウオッカで乾杯と行こう。フルーツやハーブのウオッカもあり、キンキンに冷えたショットグラスで運ばれてくる。周りのテーブルの紳士たちは、ウオッカを一気に飲み干すが、我々は、チビチビと始める事にした。フルーツのウオッカは、甘いのでついつい飲み過ぎでしまうので要注意。
さて、料理の注文といこう。スターターには、やはり定番のピロシキ(Porozhki £5.95)とボルシチ(Borsch £4.50)、そして、スモーク魚の盛り合わせ(Cured fish platter £25<2人用>)をたのんだ。ピロシキは、日本のロシアンレストランで食べものとは、まったく違ったものだった。思わずウエイトレスに「これ、ピロシキ??」と確認してしまったほど。形状が四角で、中味はほうれん草がいっぱいに詰まったパイといった感じだ。うーん。想像と違う物が来てしまったので、少し戸惑ったが、美味しくいただいた。
一方のボルシチは、ビートルートの赤いスープ。これがなんともさっぱりしているのに病みつきになるうまさ。 これからの寒い冬にはうれしい。 量も沢山で文句なしにお勧めの一品。そして、スモーク魚の盛り合わせは、2人前なのでポーションが多い。これにBlinisというロシアのパンケーキが付き、この上にマヨネーズ、タマネギとゆで卵のみじん切りをつけ、スモークされた魚を載せていただく。これが結構うまい。このパンケーキと一緒に食べるのがいい。 魚の盛り合わせは、薫製のサーモン、鰊、オヒョウ、それにいくらが付いた豪華なもの。とくにオヒョウが美味しい。我々3人は、この3品でもうお腹が膨れて来た。ふーう。
そんな時に、アコーディオンを持ったおじさんが各テーブルを廻り始めた。あちらこちらのノリがよく酔いが回ったお客が、彼にリクエストをして一緒に歌っている。我々のテーブルに来ると「どこから来たの?」と聞かれ、日本人だとわかると坂本九の「すきやき」を歌いだした。そして、次にでたのは、なんとソーラン節だ。曲の選曲がなんともいえないが、楽しいひと時を演出してくれた。食事はやはり楽しんでこそ旨さが増すというもの。彼にあいたければ、金曜日と土曜日にくればいい。
メインに頼んだ料理が運ばれて来た。タルタルステーキ (Steak tartar imperial £14.95)とビーフストロガノフ(Beef Stroganoff £14.95)、ロシア風ケバブ(Shashiyk Po-Karski £15.50)だ 。
タルタルステーキは、注文時にミディアムスパイシーと注文したが、味が淡白だったのでスパイシーがお勧めかな。ともかくポーションが大きく、1人では食べきれない量だ。
ビーフストロガノフは、マッシュが沢山はいって、これまた量が多い。ロシア風ケバブは、特に変哲のないもので、値段が安いトルコやギリシアレストランで食べた方がよいかも。
ともかく食べつくした我々は、お腹はいっぱいでデザートまでたどり着けなかったが、特に珍しいデザートは見当たらなかった。しかし、デザートウオッカに暖かいタイプHaney Vodka £5があったので、それに挑戦してみた。後味が甘くお酒の感覚がないので、どんどん飲めてしまう。危ないなー。
お勘定をもらうと、サービスでラズベリーのウオッカが出て来た。やった!!とばかりにこれは一気に飲み干し、外にでると連れの足は千鳥足。口当たりがいいだけに、ついつい飲み過ぎてしまう。
ここは、スターターを沢山とって、ウオッカと一緒に楽しむというのが正解だな。6人からの個室があり、グループでワイワイ騒ぐのもよい。
スタッフも親切で気持ちのいいレストラン。寒い冬にスープとウオッカで身体を暖めてみるのも悪くないかな?(か)
2007年10月取材 |