オールドストリート(Old Street)とムーアーゲート(Moorgate)から7分程度のところにあるこの店の近くで働きながら、5年も気づかなかった。それほど外から見ると何処にでもある普通のパブだ。しかし、2階のレストランに1歩踏み込むとそこは、外界とは無縁の独特な世界がある。昼でもしっかり閉まったブラインドで暗く、照明はろうそくと暖炉の火だけ。壁一面にかけられた様々な形の鏡は、微妙に角度を変えてテーブルの上に置かれたろうそくの光や対面の壁を映し、見る者を退屈させない工夫が凝らされている。
料理は、スターター、メイン、デザートにそれぞれ4つの料理が用意され、2コース(£15.00)か3コース(£19.75)を選ぶ。(魚、肉料理、ベジタリアン料理があり)昼も夜も同料金だが、メニューの内容は変わるという。パブの上なので飲み物はいろいろあるが、ワインはボトルは£10からとリーズナブルだ。
スターターには、テリーヌ(Pork & Chicken lever Terrine)を頼んだ。見た目は、ダイナミックだが、味は繊細。チキンレバーも上手に臭みを消しご機嫌のスタート。メインには、ゲーム(鳥獣肉)、ホロホロチョウのグリル(Guinea Fowl & Spring Green) を選んだ。柔らかい、そして、塩味だけで美味しくたべられるのは、肉に力がある証拠。付け合わせのポテトと青菜もいい相性だ。デザートは、ルバーブのケーキ(Rhubarb & Polenta Cake) を注文。小麦粉の代わりにポレンタを使用しているため独特な舌触りが好感がもてる。甘くなく、ルバーブとのコンビネーションもよくお腹が一杯でもすんなり食べられる。すべてのポーションが大きいのはうれしい反面、女性は3コースを頼んだらお腹の配分に気をつけ、もったいないが少し残した方がよいだろう。皿やカトラリーは、1930、40年代ぐらいのもので、不揃いだがこだわりがあるので、料理とともに楽しんでほしい。
スタッフも個性的だが、とても気さく。おいしくて、雰囲気がよくて、ボリュームがあって、この料金は大満足。お気に入りの店としてマーキンングしていたら、先週、レストランを選ぶテレビ番組のガストロ・パブ部門の一位に、なんとこのパブが選ばれていた。きっとしばらくは、混んでしまうので行かれる方は予約を忘れずに。
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