四川の中華レストランがまた出来たと聴き訪れた。場所は、中華レストランが集まるソーホではなくユーストン駅近く。メインの通りからはずれているためフラッと入れる店ではないが、店には結構なお客が入っている。これは、なかなかいいサインだ。
四川料理は、唐辛子・独特な味噌の甜麺醤(テンメンジャン)・山椒に似た辛い花椒(オワジャオ)が基本となるので、広東料理をベースにしている英国にある多くの中華レストランとはひと味違う。辛さが特徴なため、メニューには唐辛子マークで辛さを表示している。うーん。内臓系の料理も多いのもこの店の特徴のようだ。
さっそく注文をしよう。スターターにはキュウリの漬け物風(Cucumber in garlicky £5.80)と茹で豚のスライス(White-braised pork £6)を頼んだ。キュウリの漬け物風は、ニンニクとゴマ油がポイントで素朴でありながらおいしい。辛い食事の箸休めにもなるので、ぜひ頼みたい一品。茹で豚のスライスは、ラー油がかかっているかと思うような油と色で驚いたが、やや辛い程度で花椒が効いたお勧めのスターターだ。
メインには、四川の代表料理、麻婆豆腐、麻婆ナスと、エビの炒め物、鶏とこんにゃくの鍋煮を注文。麻婆豆腐(Mabo tofu £7.80)は、いままで食べてきた味とはまったく違で、少々戸惑う。かなりクセのある味で、すべてを食べられなかった。残念。一方、麻婆ナス(Fish-fragrant fried aborigines £6)は、四川特有の味噌が効いて美味しい一皿だ。エビの炒め物(Stir-fried king prawns £12.50)は、殻ごと食べられる大きなエビが沢山入ったご機嫌な品。唐辛子マーク3つと辛い料理で、辛いを連発しながら食べた。エビを食べ終わった皿には、数種類のチリが山ほど残っていた。ああ、辛かった。
鶏とこんにゃくの鍋煮(Stewed chicken £12.80)は、骨付きの鶏肉とこんにゃくがたっぷり入った鍋料理。チキンは、骨付きのため味わいがあるが、ちょっと食べにくい。大量のニンニクと唐辛子だが、唐辛子マーク1。
注文した品の殆どが辛いが、微妙に辛さが違うのが面白い。この辛さ、インドカレーの辛さとは違い、早めのその辛さが引いてくるのが面白い。
辛い料理が多いので、唐辛子を使用していない料理を数種頼むのがポイント。セットメニューは、内容が広東料理だけなので四川を食べたいのなら不向き。
オープンして4ヶ月、まだ作業に慣れていないスタッフもいるが、みんなフレンドリーで愉快、とても家庭的なレストランだ。いつもの中華に飽きたら、試してみては?
2007年4月取材 |