タパス料理で有名なFinoに姉妹店が出来たときき行ってみた。そこは、バルセロナにあるタパスバー「Cal Pep」をモチーフにして作られたと言われ、 調理しているのが見えるカウンターのテーブルだけで、予約なしという。「Cal Pep」には2度行き、いい想い出があるので、興味津々、興奮な思いで訪れた。
我々は6時30分に入ったため席を確保できたが、45分に入店した客は、カウンターの後ろのバーで順番待ちとなった。全席が22席と少ないので、少人数でくるのがベスト。待ちたくない人は、5時からオープンしているので、早めにくるといい。
メニューは、お決まりのタパス料理にはスペイン語、それ以外は英語でかかれているが、きどったレストランではないので、 気さくなスタッフにいろいろ聞けばよい。また、 氷の上にディスプレイされている魚貝類を指差し頼むのもよい選択だ。
さて、さっそく注文。本日のメニューより全身2センチのイカ(Chipirones £6.50) の揚げ物は、イカの味がいっぱい詰まった一品でご機嫌のスターター。スペイン料理で見逃せない生ハム(Jamon de Jabugo £12.50)は、味はもちろん美味しいのだが、いつものしっとり感がなく、ちょっと乾いていたような気がした。タコ(Octopus with Capers £7.50)は、どこまでも柔らかく、ケイパーの味ととてもよく合うお勧めの品。ブラックソーセージとポテト(Morcilla with Piquillo peppers £5.50)は、ジャガイモの上に赤のピーマンとブラックソーセージが載る、見た目にもちょっと変わった料理だが、このソーセージの味がとても美味。これもお勧めの一品だ。誰もが頼んでいるオムレツ(Tortilla £4.00〜)は、小さなフライパンで焼かれる可愛らしいサイズ。火の通りを早くするためだろう、ポテトを薄切りにして使用しているが、オムレツはジャガイモのホクホク感が決め手と思うので、その感覚が味わえないこのスライスはちょっと残念。
目の前で調理している一匹のサバをみると新鮮で大きい( 値段も£8程度とお値打ち)。 一見大きい魚なので食べられないように思うが、タパスのポーションは全て小さいので、ちょっと大きい料理を頼むとお腹にも、懐にもうれしいだろうな。
後ろを見るとすでに10人以上が席を開くのを待っている。人々の会話、目の前でクッキングする料理人の声と活気がでてきて、いい感じだ。この熱気とタパスには、キリッと冷えたシェリーがよく合うな。
デザートには、チーズ(Cheese £6.50)とクレームブリュエ( Crema Catalana £4.00) をオーダー。チーズは、マンチェィゴ、食べやすいブルーチーズとクリーム系の3種類のチーズで程よい味と量だ。クレームブリュエは、ナツメッグとオレンジの香りがいっぱいのデザートでうまいが、ちょっと量が少ないのが残念だな。
スタッフは気が利き、料理もいけるが、 一皿の量が少ないので価格の割高を感じる。ここでお腹をいっぱいにするというより、ちょっとつまむという本来のタパスバーとして利用するのが賢いだろう。
2007年3月取材 |