インディアン・レストランが軒を連ねるBrick Lane(ブリックレーン)に安くて人気のカレー屋さんがあると聞き、訪ねてみることにした。
Liverpool Street(リバプールストリート)駅の東に位置するこの通りには、小ぢんまりしたインディアン・レストランがぎっしりと立ち並ぶ。赤や黄色といった原色の看板や建物が目に付き、インド情緒たっぷりの場所だ。レストラン以外に民族衣装の仕立て屋さんなどもあり、食以外の楽しみも味わえる。
Brick Lane(ブリックレーン)を北に向かって歩くと、「Sweet & Spicy(スウィート・アンド・スパイシー)」のお店を発見! お約束のように赤い屋根のお店で思わずニッコリ。お店の窓ガラスにはたくさんの張り紙があり、外からは中の様子が全く見えない。
お店の中に入ると、まず左側にカレーやライスが並べてあるカウンターがある。ここで注文して勘定を済ませ、食事は自分で席まで運ぶセルフサービスだ。時間はお昼時で、既にたくさんの人々が列を作っていた。カウンターにいた3人の店員さんたちは注文を聞き、カレーを盛り付け、会計をし、、、と大忙しだ。噂通りの人気の店といえる。カウンターの反対側には鮮やかなオレンジ色のjelabi(ジャレビ)など、インドのスウィーツが並べてあり、興味をそそられる。
前菜のベジタブル・サモサ(£0.70)、エビのカレー(£5.50)、pilaw rice(ピラウ・ライス£1.70)、ドリンクのラッシー(£0.90)を注文。デザートはどれも珍しく、何を選んだら良いのか分からない。混雑しているのに悪いなと思いながらも思い切って店員さんに聞いてみた。すると彼はカウンターから出てきてスウィーツの棚まで来てくれ、ひとつずつ指を差しながらどんなデザートか教えてくれた。店員の親切な態度に感激!そしてその中のjelabi(ジャレビ)とburfi(バルフィー)(デザートは量り売りで合わせて£1.40)を注文。これだけ注文して£10.20とはロンドンにしては格安だ。
店内の壁にはプロレスの写真や絵が飾ってある。なんでもお店のオーナーが元プロレスラーで、その時の写真を店内に飾っているらしい。何ともユニークなお店だ。テーブルと椅子は床に固定されている旧式の大衆食堂タイプ。
まずは前菜のベジタブル・サモサをいただく。5cm大の小さなサモサだが、味がしっかりしていてピリッと辛い。まわりの皮は白くて油が少なく、地下鉄の駅で販売しているような油の強いサモサとは明らかに違う。エビのカレーはプリプリのking prawn(キング・プローン)がゴロゴロ入っており、エビ好きには嬉しい逸品だ。カレールウの色はやや赤く、激辛を予想していたのだが、それほど辛くなく意外と食べやすい。バターの香りが漂うpilaw rice(ピラウ・ライス)は、ナッツ入りで香ばしい。一緒に混ざっている干しぶどうがやや甘く、カレーとの相性がばっちりだ。ドリンクのラッシーは、使い込まれた花瓶とでも言うべき銀のコップに入っている。少し怪しい感じがし、恐る恐る飲んでみた。すると、とても美味しいヨーグルト・ドリンクだった!最後にデザート。キレイなオレンジ色で花のような形をしたjelabi(ジャレビ)は、揚げた砂糖菓子のようでとても甘く、かりんとうに似ている。burfi(バルフィー)はミルクたっぷりでミルクセーキのような味。どちらもとても甘く、辛いカレーを食べた後の口直しによく合う。
驚くことに店内で食べているお客さんの70%がインド系の人たちだった。本場のインド人に大人気のお店のようだ。気軽に味わえる人気の本格インドカレーは試す価値あり!(千晶)
2007年3月取材 |