レアル・ジャンク・フード・プロジェクト
多くの人にとって「ジャンク・フード」は「悪い食べ物」と同義語だろう。しかし、今回ご紹介する「ザ・レアル・ジャンク・フード・プロジェクト(TRJFP)」は、スーパーやレストランから出されるジャンクになりそうな食材・食品を回収し、無駄とゴミを減らすことを目的として誕生した団体だ。その活動内容はジャンクのイメージとは正反対にある。
処分される膨大な量の食物
推定8億人もの人々が十分な食事ができていないとされる今の世の中で、世界中で生産される食物の1/4以上が廃棄されているという報告もある。
イギリスに限っていえば、およそ200万人近くが栄養不足という試算がある一方で、1年で約1500万トンもの食物が無駄になっている。
「困窮」と「無駄」。この2つの問題を一気に解決しようというのが、TRJFPの試みだ。
ゴミになりかけていた食べ物を、TRJFPのカフェではいくらで販売しているのか
注文したものへの対価を払うことは期待されているが、いくらなのかはまったくもってあなた次第。また、支払い方法はお金に限らず、あなたの時間や何かしらの技術を提供することでも構わないという。
時には、通常のお店で売られている額よりも多く支払っていく客もいるという。彼らのプロジェクトに賛同するからだろう。
どんなフードが売られているのか
その時その時に寄付される残り物の内容によって変わる。基本的にメニュー作りはそれぞれのカフェに任されてはいるが、多くの場合通常のカフェメニューと大きくは変わらないという。
例えば、「ポロネギとポテトのスープ」、「チキン・パイ」、「ベイクド・ベジタブル・パスタ」「ブレッド&バター・プディング」など、どこのカフェでも見られる定番に出会えることが多い。
TRJFPカフェは、ゴミ箱行きになりそうなフードの寄付で成り立っている。そのため、「best before date(賞味期限)」が切れたフードが供される場合もある。しかし、賞味期限が切れているからといって、体に害があるというわけではない。賞味期限とは製造会社が記す、質を保証するガイドラインに過ぎないからだ。
しかし「use by date(消費期限)」は、健康に関わる重要な警告だ。カフェのスタッフは賞味期限と消費期限の違いを見極め、安全なものだけを提供している。
カフェを利用できる人に制限はあるのか
答えはノー。TRJFPはチャリティ団体ではあるが、社会的コンセプトよりも、環境的コンセプトに重点を置いているので、カフェは誰もが利用できる。
TRJFPのウェブサイトにはこう記されている:
「私たちが食事を提供しているのは、単にホームレスや困窮者、亡命希望者や難民だけではありません。誰でもどんな人でも利用できます。」
そうは言うものの、彼らのプロジェクトが困窮者の助けとなっている事実には変わらない。もしもあなたがそうすることができる幸運な立場にあるのなら、TRJFPのカフェを利用して、少し多めに支払うことも検討してほしい。そうすることでTRJFPが存続できる大きな手助けとなるからだ。
At The Real Junk Food Project Central,
everyone is welcome and no one is ever turned away.
Pay As You Feel and “Everyone is Welcome”