親戚の夫妻が、小春日和に2時間のドライブで着くウェールズの海辺に遊びに行った時の話。
気持ちのいい中、ランチを取ろうということになった。
その前にトイレに行きたい。との奥さん。待ち合わせの場所を決めて別れた2人だった。

奥さんが待ち合わせの場所に行くと、旦那さんはまだ来ていない。彼もトイレに行ったのかも。としばらくそこで待っていたが現れない。
携帯に電話をするがご主人は出ない。
そうだ。待ち合わせ場所が誤っているのかも。と思い、さっきまで2人で歩いていた海岸方面に向かって歩いた。
前方に騒がしい人だかりがあった。

覗いてみると男性が倒れているではないか、それがなんとご主人だった。
慌てて近寄ってみると意識がないようだ。周りの人の話では、いきなり倒れたのでともかく救急車を呼んだという。

そこに来たのが、救急のヘリコプター。
手際よくご主人を乗せたが、定員オーバーになるので、奥さんは乗せられないという。
この海岸から2時間離れた病院に運ぶので、後からそこへ来てくれ。と救急隊員からの指示を受けた。

考えてみて欲しい。
意識不明の旦那を見て、何が起こっているのかわからない。とっても動揺している最中だ。
そんな時に、見知らぬ道を走り、そのヘリコプターを追って病院まで行く。

彼女は、しっかりしているタイプだか、気が動転しているのは誰の目に見えた。

そんな時だ。
「僕は妻と来ているので、私があなたの車を運転して病院に一緒に行きましょう。妻は後をついて行くるので、帰りは心配いりません」という申し出をした男性がいた。
彼女は、ありがたくそのオッファーを受け取り、彼女の車で病院まで向かった。

ご主人は、心臓発作を起こして倒れた。
その後、意識不明が3日間続き、おそらくこのまま逝ってしまう可能性が高い。と医者に言われたが、本当に奇跡的に一命を取り留めた。

その後、数ヶ月間のリハビリを受け、いまだに階段の上り下りがきついが、なんとか退院をして普通の生活に戻れた。
彼女が言った。
あの時、あんなオッファーがなかったら、落ち着いて運転もできなかったし、最悪は、自分が車の事故を起こし、旦那に付き添うことができなかった。

そのカップルに心から感謝しているとのことだ。

あなたは、こんな時に同じような素敵なオファーが咄嗟にできるだろうか。
そもそもそんなオッファーをすることに気づくだろうか。