リバプールのホーム6連敗とコロナの関係
昨年の覇者リバプールが絶望的な状況に置かれている。
3月7日本拠地アンフィールドで行われたフラム戦に敗戦し、ホームでの戦績は6連敗となった。しかも奪った得点はわずか1ゴールという、昨季覇者とは思えないゴール数なのだ。
そんな中注目したいのがアウェイの戦績。アウェイでは5戦して3勝2敗と勝ち越し、そこそこの成績を納めている。
勝利した相手の中には、好調トッテナムやウェストハムも含まれており、しかもどちらも3-1と大量得点での勝利なのだ。
ここから察するに、チーム内部が決定的に崩壊しているわけではないようだ。
となると、ホーム「アンフィールド」では何故勝てないのか?
そこには多少なりともコロナが関係しているのではないか?と思わざるを得ない。
今季のプレミアリーグは激戦である。ここにきてシティが頭1つ飛び抜けた感があるが、つい先日までは2位から10位までが10ポイント差の中にひしめくという類稀なる団子状態だった。
これは、どのチームと対戦しても勝ったり負けたりと、まさに五分五分の状況ということ。
そこで仮説を立ててみる。
全てのクラブが「ホームの利」を得られていないのではないか?
プレミアリーグはコロナ禍の中、全てのスタジアムが閉鎖し「無観客試合」で試合が行われている。つまりそこは、たとえホームであろうと、”ただのピッチ”というわけだ。
リバプールの本拠地であるアンフィールドは、世界でも有数の熱狂的なスタジアムだ。
試合前KOPと呼ばれる世界一のサポーターは「YNWA」という応援歌を唱い、その空間を創り上げ、試合中もチャントで選手たちを鼓舞し、夢の空間を演出する。
「試合前、アンフィールドの入場通路に立った時、全く負ける気がしなかった」
これは元リバプール主将スティーヴン・ジェラードの言葉だが、アンフィールドという要塞にはそれほど強い後押しがあったわけだ。
しかしコロナ禍の今、ただの無音のスタジアムと化したピッチにはそんな支えは一切ない。つまり、プレミア一と言われていた「ホームアドバンテージ」も一切存在しないわけだ。
そうなると、現在のプレミアリーグは、「純粋なる真の実力測定の場」となっていても、なんらおかしくはない。
そんな中、圧倒的強さで飛び抜けたマンチェスター・シティとはどれほどの強さなのかと、改めてペップの恐ろしさを噛み締めるわけだが、
しかしサポーターあってのフットボール。
1日も早く、アンフィールドだけでなく、全てのスタジアムにあの熱狂が帰ってくることを願うばかりなのだ。