大学進学の準備

公立・私立校とも、中等教育(Secondary Education)を終え、GCSEで一定の成績を収めた生徒は、シックスフォームと呼ばれる2年間の高等学校に進むことができます。シックスフォームは、大学入学に必要な全国統一試験Aレベルの履修課程です。その多くは、公立・私立に限らず、セカンダリースクールの上級学年用コースとして同じ敷地内にあります。

選択科目

Aレベルの選択科目は多岐にわたりますが、GCSEにおいて一定の成績を収めた科目かつ目指す大学進学のために必要な305科目を選択し、履修します。希望の科目が学校にない場合は、付属のシックスフォームに進まず転校することも可能です。

シックスフォームカレッジ

中学に併設されたシックスフォームの他に、Aレベルの履修課程のあるシックスフォームカレッジ(Six Form College)と呼ばれる学校があります。通常16~19歳が在籍し、Aレベルの履修コースの他、より実践的な科目が受講できたり、GCSE取得コースを併設していることもあります。

大学受験資格

大学(university)入学のためには、3~4科目でのAレベル資格取得が必須。

願書提出

大学の学部課程(under graduate)への入学願書提出は、UCAS(Univer sities and Colleges Ad missions Services)を通して、オンラインまたは郵送で行います。詳細はUCASのウェブサイトを参照。その他にも、英国の大学への入学に関するさまざまな情報が掲載されています。

大学入試の合否は、Aレベルの成績や書類審査、面接で決まり、結果はUCASから学校を通して本人に通知されます。

英語のレベル

英国籍以外の生徒が大学受験をする場合は、英語レベルの成績証明も必要です。アカデミック英語検定IELTS等の試験の準備も忘れないように。

英国外の教育課程を受けてきた生徒のために、高等教育最終課程において取得する国際バカロレア(IB)を受験資格要件としているところもあります。

ファウンデーション・コース

外国人やAレベルの結果が合格基準に満たなかった生徒を対象に、大学入学に向けた準備を行うのがファウンデーション・コース(Foundation Course)。大学内に設けられていることもあり、通常、コースを修了するとその大学の学士課程への入学が認められます。

期間

英国の大学は1年目から専門課程となるため多くは3年間で卒業となりますが、言語や医療関係等、学部によってはそれ以上の年数を経ての卒業となります。

学部課程以上

学部課程以降の修士課程と博士課程はPG(Postgraduate)と呼ばれます。これらの課程に進むことを希望する場合は、大学の学部に直接申し込みます。

その他の教育機関

大学以外の高等教育には、各カレッジの専門コース(全日制、パートタイム)等があります。修了資格を取得できるコースもあります。

 

【ギャップ・イヤー(gap year)】

シックスフォームを終えた学生が進学を1年見送り、社会経験を積むこと。1年間の過ごし方としては、海外のワーキングホリデー参加やバックパック旅行が最も人気。ウィリアム王子はチリで、ヘンリー王子はオーストラリアでそれぞれギャップ・イヤーを過ごされた。

【パブリックスクール】

小さな英国紳士、エリートコースの少年達が通うイメージのパブリックスクール(Public School)。中でも有名なのがイートン、ハーロー、ラグビー等である。アメリカでは公立校のことをパブリックスクールと呼ぶが、イギリスでは公立校はステートスクール(state school)と呼び、異なるので注意。パブリックスクールの生徒数はイングランドでは約7%にすぎないが、大学におけるパブリックスクール出身者の割合はかなり高く、各界トップ
になると3人に2人といわれ、パブリックスクール出身者が英国社会の枠組みを作っていると言ってもあながち過言ではないだろう。

プレパラトリースクールと呼ばれる学校は、有名パブリックスクールへの進学を目指す私立校。授業料は高額だが、教育熱心な保護者は高い学費を惜しまないところはいずこも同じ。子どもの誕生と同時に進学のための貯金を始めたり、志望校へ入学申し込みを行うことも珍しくない。

(協力:JOBA International London