カツカレーと聞いて日本人が思い浮かべるのは、トンカツを乗せたカレー。カツには豚肉のほかにビーフカツやメンチカツなどもあるが、ここイギリスでは宗教上などの問題で豚肉や牛肉を食べない人も多く、チキンカツが主流。
カツの意味を知るイギリス人も少なく、日本食に詳しいイギリス人はチキンカツと言えば、BREADED CHICKENやPANKO CHICKENだと知っているが、残念なことにそんな日本通のイギリス人は一握り。

今回はイギリスのスーパーマーケットTesco、Sainsbury’s、Waitrose、Marks and Spencer (M&S)で買える「BREADEDチキンカツカレー」を食べ比べた。

「wasabi」Chicken Katsu Curry Bento £7.75
2003年にキム氏によって創設された、寿司や弁当ボックスを売るファーストフード・レストラン・チェーンの「wasabi」のチキンカツカレー。作った時間表記もされていて常に温かいランチボックスが食べられので、昼時はカツカレーを求める人でキューになるほどの人気。それほどカツカレーがイギリス人に愛されているということか。「ソース」は、日本風カレーらしく、細かいジャガイモやニンジン、ネギが入っていて多種のスパイスが利いていてコクがあり美味しい。「カツ」は、ころもも薄く合格点。「ライス」は寿司ライスとあるが、イギリスではショートグレインライスを寿司ライスと表記しがちで、ブランド名が書かれていないので日本米かどうかは怪しいが、ソースとの相性も良い。スーパーマーケットで買えるカツカレーより値段が高いだけあって総合的なクオリティーは高く、一番、日本のカレーに近く、おすすめ!

 

「wasabiブランド(wasabi home bento)」TescoとSainsbury’sで販売  chicken katsu curry 450g / £4.50
「wasabi」がTescoとSainsbury’sでの販売用として展開している「wasabi home bento authentic Japanese: in box」の中の一品。
「ソース」は「wasabi店舗」のカツカレー同様、日本風カレーらしく、細かいジャガイモやニンジン、ネギが入っている。多くのスパイスが入っているわりにコクがないのはナゼだろう。「カツ」は、肉はスゴく薄いわけではないのだが、ころもが多いのが残念。「ライス」はロンググレインライス。パサパサで正直おいしいとは言えない。良くないコメントが多くなってしまったが、あくまでも「wasabi」の店舗で売られているカツカレーと比べての評価であって、総合的にみればマズマズ。カレーソースも「wasabi店舗」のソースに比べるとコクはないが、一番日本のカレーソースに近いかも。このクアリテーで「wasabi店舗」のカツカレーよりも安くサンドイッチ・セットより1ポンド高いだけなので、たまにランチに食べるには良さそう。

 

「Waitrose」CHICKEN KATSU CURRY 350g / £5.25
昨年9月に簡単にレンチンして食べるレディミールの新ブランド「JAPAN MENYŪ 和食メニュー 」として発売。「ソース」はココナッツ入りカレーソースだからか日本のカレーソースとは違い東南アジア・スタイル。味もマイルドで色も日本のカレーより黄色。「カツ」は今回の食べ比べの中で一番、肉が厚く、ころもが薄くカツとしては合格点。「ライス」はスティームドライスと表示にあるだけで何ライスか定かではないが、いわゆるロンググレインライスでもなさそう。

 

「M&S」CHICKEN KATSU CURRY 380g / £5.25
高品質を売りにしているM&S。当シェフが一年をかけ製品開発した自慢の新レシピ”TASTE OF ASIA”の一品。「ソース」はアップルジュースが入ってるのでやや甘だが、多種のスパイスがミックスされているので旨味がある。今回食べ比べしたカツカレーの中で唯一、調味料としてミリンと酒の表記があるが、日本風カレーソースにミリンや酒を入れるか?といったらナゾではある。「ライス」はエスニックメニューに多く使われるタイ米の一種ジャスミンライスとロンググレインライスとのミックス。長粒米なのでパラパラとした米だが、ジャスミンライスのほのかな甘い香りがソースとの相性も良い。商品名にはガーリック&ジンジャーライスとあるが風味(?)だけなのか?特に感じない。

 

【おまけ】「カツ」が乗っていなくても「カツカレー」!? 日本風のカレーソースがかかっているだけ、グリルしたチキンの「チキンカツカレー」

「M&S」CHICKEN KATSU CURRY With cauliflower rice and katsu sauce 400g / £5.50
バランスの良い食生活、健康志向商品”eat well”の一品。ライスの代わりにカリフラワーライスを使った高プロテイン商品。カリフラワーはソースとも絡み辛くボソボソしているので、カレーソースにはやはり米があう。ソースの味は悪くはないので、糖質制限をしている人には良いが、個人的にはリピートはなし。

最後に各項目別順位を発表!(今回はスーパーマーケットのカツカレーの順位のため、wasabi店舗のカツカレーとM&Sのカリフラワーライスを使ったカツカレーは対象外)

スーパーマーケットで売られている多くのカツのころもには溶き卵を使わず、BATTER MIXという小麦粉と水を合わせたころもを使っているので卵アレルギーの方もOK!ビーガン向け肉が入っていないカボチャカツカレーや豆腐カツカレーなどもあるので、日本ではお目にかかれないイギリス発カツカレーを試してはいかがでしょう。

※商品名の英語表記は各メーカーの表記となっている