誰にでもいつかは訪れる死。この度イギリスの成人2,000人を対象に「自分の魂がこの世を去った後の遺体をどうしてほしいか」という調査が行われた。英タブロイド紙エクスプレスより。


私の遺体はこうしてほしい…の一番人気は!

現在でも埋葬方法のおよそ25%が土葬というイギリスだが、荼毘に付された場合には遺灰をどこか自然な環境に撒いてほしいというのが最も多い回答だった。


死して生き続けるオプションも

火葬される前に臓器提供を望む声も少なくなかった。自分の一部が他人の体の中で生き続けることができると感じるからだという。

あるいは、医学の進歩のために献体したい、遺灰を使って人工ダイヤモンドにしてほしい、遺灰を混ぜたインクを使って愛する人に刺青を入れてもらいたいという回答もあった。


では「これは勘弁!」… の一番は!

当然といえば当然かもしれないが、ゾンビとなって蘇るのはごめんだと感じている人が多かった。

そもそもなぜゾンビが関わる回答例があったのかというと、このリサーチ自体がビデオゲーム「Dead Island 2」の制作発表に合わせて生命保険会社「DeadHappy」と共同で行われたものだからだ。ちなみにDead Island 2のグロさはかなりのものらしく、日本の家庭用機版は未販売という。それなのに、海外版には日本語訳がついているというから、これも法の抜け穴というものなのかもしれない。

ゲームクリエイターのターナー氏は言う。「自分がこの世を去った後にどうしてほしいかなどということを考えるのは、多くの人にとっては容易いことではないだろう。しかし、ゾンビに生まれ変わってかつて愛していた人たちを追いかけ回すという発想はそうそう出てこないだろうね。とはいえ、予期しないことに備えてデス・ウィッシュを用意しておいて損はないだろう。」

別の団体が行った調査だが、「ゾンビ・アポカリプス(ゾンビによる世界の終末)」が起きた場合に備えてある程度の準備は出来ていると答えた人が18%もいたことは驚きに値する。日夜ゾンビゲームに明け暮れて、それを「訓練」と混同している人たちだろうか。しかし、ゾンビ・アポカリプスを生き延びる自信があるかという問いにイエスと回答したのは、その半分の9%だった。

ちなみに、調査に協力した人のうち、23%は終活や死後のアレンジメントについては全く考えたことがないと回答している。


生まれ変わりたくないもの

たとえ来世があるとしても生まれ変わりたくないものもある。その上位は、ゾンビに続いて、クモ、吸血鬼、ハト、カモメとの結果が出た。生まれ変わりの部類に入るのかどうかは議論の余地がありそうだが、幽霊も不人気だった。しかし幽霊よりハトの方が嫌だという人が多いのは興味深い。(余談だが、洋の東西を問わず、鳩恐怖症の人は少なくないらしい。)


ちなみに、イギリスで亡くなった後にかかる諸々の費用は?

葬儀までを含めたあくまでも平均価格だが、火葬は約£3,800、土葬には£5,000ほどかかるらしい。土葬には墓所代や墓掘り職人代もかかるので差が出るのは当然だろう。土地代に限っていえば、高い地域と安い地域では数百ポンドから数万ポンド以上とかなりの差がある模様。

遺灰からダイヤモンドを造る費用も、重さや色によって大きな違いがある。一番安価なのは0.25カラットのナチュラル・アンバー色のダイヤで、£1,400。逆に高価なものだと、3カラットピュアな透明色のダイヤで£28,000だ。色は他にも各種選択可能。自分の遺灰に値段が付けられるのも何やら複雑だが…。


変わったところでは、海洋葬や宇宙葬というものも

どうだろう、自分が亡くなった後のことなんか考えたくない!という方も少しは興味がわいてきただろうか。

また、回答者のおよそ半分近くは、将来、火葬や土葬といった形式は消えていくだろうと考えているようだ。人類は自分たちが亡くなった後の処理についてもっとクリエイティブになっていくだろうからというのがその理由だ。


イギリス人の死後の願い25選

25位 室内の霊廟に安置される

24位 遺灰を混ぜた絵の具で絵画の一部になる

23位 遺灰をプレスしたレコード盤になる

22位 屋外に設置されたゴシックスタイルの安置所に遺灰を安置

21位 チベット仏教の「Sky Burial(鳥葬)」に倣って、鳥の餌になる

20位 インクに遺灰を混ぜてもらって愛する人の刺青になる

19位 プラスティネーション(体内の水分と脂肪分を合成樹脂に置き換えることで遺体の長期保存を可能にする方法)を施し、解剖学に役立つ

18位 海洋葬で送られる

17位 棺桶などに入らずに土葬

16位 遺灰を利用した創作的な文鎮やガラス細工になる

15位 宇宙葬で送られる

14位 好きなサッカーチームのグラウンドに散灰される

13位 屋外における人体腐敗の研究のため、鑑識学研究所に献体

12位 海洋のサンゴ礁に散灰される

11位 遺灰を使った花火となって散灰される

10位 バイキングの船葬(遺体を小舟に乗せてから火の付いた矢を放つ火葬方法)で送られる

9位 遺灰を使った宝石になる

8位 遺灰を使ったダイヤモンドになる

7位 生分解性の棺桶に入って土葬される

6位 ヘルシーな土壌になって自然保護に役立つ

5位 科学のために献体

4位 伝統的な木製の棺桶に入っての土葬

3位 木の下に土葬される

2位 臓器ドナーになる

1位 自然の中に散灰される