年末年始の飲み過ぎを反省し“Dry January”を実行しているヘルシーな人たちもいるが、今のご時世“飲まなきゃ、やってられない”人向けに、今月から「なんでも比較隊〜!」特別企画として「ビール飲み比べ」を掲載する。
英国の多くの地域の水は硬水のため、この国でビールといえば硬水から作られるエール・ビールが主流だが、日本人好みのビールと言えば、キレ味爽快なピルスナーをはじめとするラガー・ビール。そこで当コラムは“ラガー・ビールの飲み比べ”から始めることにする。
日本では絶大な人気を誇るラガーも“エール好き男子”が多い英国でのかつての評判は散々だった。さわやかな柑橘系のフレーバーが女性ウケすることから“Ladies’ Drink”と揶揄されたり、“フットボール・フーリガンのビール”だの結婚直前に花婿が大暴れする“Stag Nightの飲み物”だのと毛嫌いされ、あげくの果てには“Wife Beater”と最悪な愛称までつけられる始末だった。
そんなネガティブな黒歴史を拭い去るべく近年の“ラガー・ビールの発展”に一役買ったのがCAMDEN TOWN BREWERYだ。2010年にロンドン北西部、オーバーグラウンドKentish Town West駅の高架下にインディペンデント・ブリューワリーとして設立、2015年に大手酒類メーカーAnheuser-Busch InBevに買収された。このブリューワリーの醸造ビール・第一号として誕生したのがCAMDEN HELLS LAGERだ。このシリーズの3種の飲み比べをしたい。
HELLS アルコール度数: 4.6%
今では、各スーパーや多くのパブでも見かけるほどCAMDEN TOWN BREWERYの知名度アップに貢献した当ブリューワリーの人気商品クラッシックHELLS。
ドイツビール・スタイルのヘルスとピルスナーを組み合わせた、キリッとした口当たり。ほどよい苦味と微かな柑橘系のフルーティーな味わいが楽しめる。色は淡いゴールドでペール・エールに近い味は、エール好きにもオススメの洗礼されたドライ・ラガーだ。
HELLS IN HIBERNATION アルコール度数: 4.6%
期間限定商品。ろ過されていないビールでパイニー・スパイスの香りと柑橘系のフレッシュでクリアな味わい。かすかなシトラスの香りが心地よい。エール好きには軽く感じられる味だが、コンテンポラリー・スタイルのビールがお好きな方にはオススメ。苦味が弱いのでビールが苦手な方もトライしてみては?
HARVEST HELLS アルコール度数: 4.6%
こちらも昨年9月に発売された期間限定商品。クラッシックHELLSより苦味が強く、モルトの味わい豊かなコクのあるビールだ。実際のアルコール度数よりも強く感じる。琥珀色とも深紅とも言える深い色が魅力。秋から冬にかけてピッタリの、リッチで複雑な風味と芳ばしい香りを是非お試しあれ。