1月といえばありがちの
クリスマスならぬCovid-masが明けて
新型コロナウイルスの変異種が猛威を奮った2020年のクリスマス。外出自粛が求められていたため、多くの人は自宅で静かに祝ったのではないだろうか。
定められた規制には「買い物は必需品のみ」が含まれているにもかかわらず、実際にはスーパーマーケットで売られているものならなんでも買えてしまうため、クリスマスに向けた割引セールを大いに利用して、アルコールを大量に仕入れる買い物客も大勢見かけた。
共に祝った人数は少なくても、結局のところ例年通りの暴飲暴食を繰り返してしまった…。そんなクリスマスの後にやってくる新年に、近年多くの英国人が立てる誓いは、「Dry January(断酒の1月)」と「Veganuary(VeganとJanuaryを併せた造語。ヴィーガンになる1月)」の敢行だ。見て字の如く、飽食の反省とデトックスを兼ね、1月はアルコールと動物性食品を一切絶つというというものだ。新年は心機一転、「New Year, New Me」を掲げるのは日本人だけではないようだ。
チャリティ団体Alcohol Change UKによると、昨年の390万人をはるかに凌ぐ650万人の英国人が「Dry January」の誓いを立てたという。同じくチャリティ団体であるVeganuaryにも、今年は世界中で500,000人以上が登録し、そのおよそ25%が英国在住者ということだ。
1ヵ月お酒を抜く
過去に「Dry January」を敢行した人たちへの調査によると、1ヵ月間お酒を抜くだけで、「活力の増強」「肌質の向上」「体重の減少」「禁酒解禁後も酒量が減少」といった効果が認められたという。クリスマス後と比べて…という条件付きであれば、当然至極と言えないこともないが。
禁酒の効果はわかっていても、なかなか踏み切れないという人も少なくないだろう。そんな時に役に立つお助けツールがある。
代表的なものには、セーブしたアルコール消費額とカロリーがひと目でわかる「Try Dry」、禁酒記録をシェアして励ましあえる「I Am Sober」や「Sober Grid」。デトックスをしながら友だち作りもできるというわけだ。
1ヵ月ヴィーガンになる
野菜や果物には、繊維質、ビタミン、ミネラルが多く含まれ、体に良いというのは周知の事実。「野菜」「果物」という字面を見ただけでも、いかにも健康そうだ。ヴィーガン食を1ヵ月続けるだけで、「体重の減少」「エネルギーレベルの上昇」「コレステロール値の低下」が見られるという報告もある。
しかし、ヴィーガニズムは健康的に痩せることが最終目的なのではなく、動物搾取を全廃するという哲学的信念の上に成り立っている。Veganuaryはあくまで、その哲学を知るためのスタートラインということを理解しよう。
どこまでが菜食主義でどこからがヴィーガンなのか、その境目すら曖昧だという人もいるだろう。前出の団体Veganuaryのウェブサイト(www.veganuary.com)で、食事プランやレシピ、継続のヒントなどが無料で閲覧できるので便利だ。またこの時期は、どこのスーパーマーケットでもヴィーガン食のプロモーションを行っているので、食事のアイデアに詰まることもないだろう。
一番辛いといわれる1週目を乗り切る
金曜日になるとついおいしいもの(イコール、得てしてハイカロリー!)を食べながら乾杯したくてムズムズしてくる人も少なくないだろう。そんな時には、デリバリーサービスのあるヴィーガン食を注文し、アルコールに見えてアルコールではない、ボトルや缶のデザインも洒落たノンアルコール・ドリンクを試してみてはいかがか。
これまでの生活を変えるのは、容易なことではない。しかし、最初の1週間を乗り越えると少しずつ楽になり、体とマインドの変化に段々と気づき始めるそうだ。そこまでいけばしめたもの。
しかし…されば禁酒や菜食などいつでもできるではないか。何も、辛く苦しいロックダウン中の今に始めなくとも、自由に外出できるようになるまで待ってもいいではないか。
それでは自宅飯と家飲みが外食・外飲みに変わるだけ、という声は聞かなかったことにしよう。