SNSはもちろんのこと、バンキング、ヘルスサービス、社会保障と、現代社会ではオンラインやスマートフォンのアプリで処理する事柄が多い。その分、覚えないとならないパスワードの数も増えるばかり。イギリス人はこれにどう対処しているのだろうか。


面倒。しかし重要なパスワード設定

一定年齢を超える人ならば、「以前は銀行カードの4桁暗証番号さえ覚えていればことが済んだのに…」と、パスワードに振り回されることに嫌気がさすのも理解できる。

しかし、過去と現在を比較して憂いてばかりはいられない。安易なパスワードを設定して、それを各所で使い回ししていると、思わぬハッキング被害に遭う可能性が大きくなるからだ。

ネット上の詐欺が横行する現在、サイバーセキュリティの観点から「絶対にバレないパスワード」の設定は何よりも大切なことのはず。しかし、しかしだ。


2023年中に、イギリスでもっとも頻繁に使われたパスワード

VPNサービスを提供するNordVpn社が行った「もっともよく使われるパスワード」調査で、驚くべき結果が出てしまった。

もちろん、ランダムに「あなたのパスワードは何ですか」と聞くことはできないので、実際にパスワードがバレてデータ侵害にあったケースから統計を取った。

多くのイギリス人が使っているパスワードの主なものは、「123456」「password」「qwerty」「liverpool」「123456789」「arsenal」「12345678」「12345」「abc123」「Chelsea」などだった。そんなまさか、と思ったあなたは多少は安全なグループに属するのかもしれないが、中には「やばっ!」と焦った方もいるのではないだろうか。


簡単なパスワードに潜む危険

パスワードは、あらゆるオンライン・アカウントの最初の防御線であることを覚えておこう。残念なことに、何年にもわたるキャンペーンや警告にも拘らず、実に多くの人がいまだに “覚えやすく便利な” パスワードを複数のアカウントで使用している。

サイバー犯罪者たちは自動ツールを使用していることが多いので、このようなパスワードをいとも簡単に解いてしまう。こうしてログイン情報が外部に流出してしまった場合、あなたが持っているすべてのアカウントが危険に晒される。そしてハッカーたちは自由自在にあなたのアカウントを操り、キーを何度かクリックするだけで、あなたの人生を破壊してしまうこともできるのだ。


あなたのデジタルデータを守るためにできること

あなたのログイン情報が流出することで、個人情報や銀行の詳細が外部に漏れてしまった場合、被害に遭うのはあなただけに留まらない。オンラインで繋がっているあなたの友人や家族、仕事場やクライアントにまで迷惑がかかることもあるかもしれない。

まず、パスワードには数字、記号、文字(大文字小文字を混ぜると良い)をミックスさせ、最低でも12文字のhard-to-guessなものを選び、アカウント毎に違うパスワードを設定することを勧めたい。また、有料の「Password Manager」を利用することは、賢い投資となるだろう。Password Managerは非常に難しいパスワードを作り、安全な場所に保存してくれる上、これらのパスワードは複数のデバイスで使うことができる。

パスワードだけでなく、指紋認証やスマホを使ったコード認証を追加した、2段階認証(2FA)を使うのも良い防御策と言えるだろう。

ハッカーたちにスキを見せず、どうぞ安全で楽しい新年をお迎えください!